説明

CGRP受容体アンタゴニスト

本願発明は概して、CGRP受容体アンタゴニストである、式Iの新規な化合物およびその医薬的に許容し得る塩に関する。本願発明はまた、片頭痛および他の頭痛、神経性血管拡張、神経性炎症、熱損傷、循環性ショック、更年期障害に関係する紅潮、呼吸器炎症性疾患(例えば、喘息)、および慢性閉塞性肺疾患(COPD)を含めた、CGRP関連障害の処置における、該化合物を使用する医薬組成物および方法にも関する。


【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
本願は、米国仮出願番号61/251477(2009年10月14日出願)の利益を主張する。
【技術分野】
【0002】
本願発明は一般的に、CGRP受容体アンタゴニストである、式Iの新規な化合物、およびその医薬的に許容し得る塩に関する。本願発明はまた、CGRP関連障害(例えば、片頭痛、神経性血管拡張、神経性炎症、熱損傷、循環性ショック、更年期障害に関係する紅潮、呼吸器炎症性疾患(例えば、喘息)および慢性閉塞性肺疾患(COPD))の処置における、該化合物を使用するための医薬組成物および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)は、1982年に最初に同定された天然37アミノ酸ペプチドである(非特許文献1参照)。該ペプチドの2個の形態が発現し(αCGRPおよびβCGRP)、これらはそれぞれラットおよびヒトにおいて1個および3個のアミノ酸によって区別される。該ペプチドは、末梢神経系(PNS)および中枢神経系(CNS)の両方に広く分布し、知覚求心ニューロンおよび中枢ニューロンに主に局在化し、そして多数の生物学的な効果(例えば、血管拡張)を示す。
【0004】
該細胞から放出されると、CGRPは、特異的細胞表面Gタンパク質共役受容体と結合し、そして大部分細胞内アデニル酸シクラーゼの活性化によってその生物学的作用を発揮する(非特許文献2および3参照)。2クラスのCGRP受容体である、CGRP1およびCGRP2は、該ペプチドフラグメントCGRP(8−37)のアンタゴニスト性質およびCGRP2受容体を活性化するためのCGRPの直鎖アナログの能力に基づいて提案されている(非特許文献4参照)。しかしながら、該CGRP2受容体について分子的レベルでの証拠の欠落が存在する(非特許文献5参照)。該CGRP1受容体は、3個の構成要素:(i)7個の膜貫通カルシトニン受容体様受容体(CRLR);(ii)1個の膜貫通受容体活性修飾タンパク質タイプ1(RAMP1);および(iii)細胞内受容体構成要素タンパク質(RCP)を有する(非特許文献6参照)。RAMP1は、CRLRの細胞膜への輸送に必須であり、そして該CGRP−受容体とのリガンド結合に必須である(非特許文献7参照)。RCPは、シグナル伝達に必須である(非特許文献6参照)。他の種について見られるよりもヒト受容体の拮抗作用について見られる典型的なより大きいアフィニティーをもつ、小分子アンタゴニストの該CGRP−受容体との結合における、公知の種−特異的な相違が存在する(非特許文献5参照)。RAMP1のアミノ酸配列は種選択性を決定し、特に該アミノ酸残基Trp74はヒト受容体の表現型に関与する(非特許文献8参照)。
【0005】
CGRPへの該受容体レベルでのインヒビターは、過剰CGRP受容体活性化が生じている、病態生理学的状態において有用であると仮定されている。これらのいくつかは、神経性血管拡張、神経性炎症、片頭痛、群発性頭痛および他の頭痛、熱損傷、循環性ショック、閉経期紅潮、および喘息を含む。CGRP受容体活性化は、片頭痛の病因に関与するとみなされている(非特許文献9−11参照)。CGRPの血清中レベルは、片頭痛の間に上昇し(非特許文献12参照)、そして抗片頭痛薬による処置は、頭痛の緩和と同時にCGRPレベルを正常に戻す(非特許文献13参照)。片頭痛は、コントロールと比較して、基底CGRPレベルの上昇を示す(非特許文献14参照)。静脈内CGRP注入法は、片頭痛における持続性頭痛を生じる(非特許文献15参照)。イヌおよびラットにおける臨床前研究は、該ペプチドアンタゴニストCGRP(8−37)による全身性CGRP遮断が、安静時全身血液動態も局所血液量もいずれも変化しないことを報告している(非特許文献16参照)。従って、CGRP受容体アンタゴニストは、非−選択的な5−HT1B/1Dアンタゴニスト、「トリプタン」(例えば、スマトリプタン)に関係する活発な血管収縮の心臓血管易罹病性を避ける片頭痛の新規な処置を提供することができる。
【0006】
CGRPアンタゴニストは、ヒト臨床治験において力価が示されている(非特許文献17−20参照)。
【0007】
CGRP受容体アンタゴニストは、特許文献1−3に開示されている。
【0008】
本願発明は、技術的な利点を提供し、例えば該化合物は新規であってそしてCGRPを阻害する。加えて、該化合物は、医薬的な利点、例えば作用、結合、阻害力価、標的選択性、溶解性、安全性プロファイル、またはバイオアベイラビリティのそれらの機序の1個以上に関する利点を提供する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】WO 2004/092166
【特許文献2】WO 2004/092168
【特許文献3】WO 2007/120590
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】Amara, S. G. et al, Science 1982, 298, 240-244
【非特許文献2】Poyner, D. R. et al, Br J Pharmacol 1992, 105, 441-7
【非特許文献3】Van Valen, F. et al, Neurosci Lett 1990, 119, 195-8
【非特許文献4】Juaneda, C. et al. TiPS 2000, 21, 432-438
【非特許文献5】Brain, S. D. et al, TiPS 2002, 23, 51-53
【非特許文献6】Evans B. N. et al., J Biol Chem. 2000, 275, 31438-43
【非特許文献7】McLatchie, L. M. et al, Nature 1998, 393, 333-339
【非特許文献8】Mallee et al. J Biol Chem 2002, 277, 14294-8
【非特許文献9】Edvinsson L. CNS Drugs 2001; 15(10): 745-53
【非特許文献10】Williamson, D. J. Microsc. Res. Tech. 2001, 53, 167-178
【非特許文献11】Grant, A. D. Brit. J. Pharmacol. 2002, 135, 356-362
【非特許文献12】Goadsby PJ, et al. Ann Neurol 1990; 28: 183-7
【非特許文献13】Gallai V. et al. Cephalalgia 1995;15: 384-90
【非特許文献14】Ashina M, et al., Pain 2000, 86(1-2):133-8. 2000
【非特許文献15】Lassen LH, et al. Cephalalgia 2002 Feb; 22(1): 54-61
【非特許文献16】Shen, Y-T. et al, J Pharmacol Exp Ther 2001, 298, 551-8
【非特許文献17】Davis CD, Xu C. Curr Top Med Chem. 2008 8(16):1468-79
【非特許文献18】Benemei S, Nicoletti P, Capone JG, Geppetti P. Curr Opin Pharmacol. 2009 9(1):9-14. Epub 2009 Jan 20
【非特許文献19】Ho TW, Ferrari MD, Dodick DW, Galet V, Kost J, Fan X, Leibensperger H, Froman S, Assaid C, Lines C, Koppen H, Winner PK. Lancet. 2008 372:2115. Epub 2008 Nov 25
【非特許文献20】Ho TW, Mannix LK, Fan X, Assaid C, Furtek C, Jones CJ, Lines CR, Rapoport AM; Neurology 2008 70:1304. Epub 2007 Oct 3
【発明の概要】
【0011】
(発明の詳細)
本願発明は、一連のCGRPアンタゴニスト化合物およびその医薬的に許容し得る塩、組成物、それらの製造方法、および治療学的な処置におけるそれらの使用方法を包含する。
【0012】
本願発明の1態様は、式I:
【化1】

[式中、
は、水素、シアノ、ハロ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アゼチジニル、ピロリジニルまたはピペリジニルであり;
は、式:
【化2】

からなる群から選ばれる1個の置換基で置換されたピペリジニルであるか、あるいは、
は、式:
【化3】

であり;
は、水素、ハロ、シアノ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、またはハロアルコキシであり;
は、水素、ハロ、シアノ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、またはハロアルコキシであり;
は、水素、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロアルコキシ、アジド、アミノ、アルキルアミノ、またはジアルキルアミノであり;
は、水素、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロアルコキシ、アジド、アミノ、アルキルアミノ、またはジアルキルアミノであり;
は、水素、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロアルコキシ、アジド、アミノ、アルキルアミノ、またはジアルキルアミノであり;
は、水素、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロアルコキシ、アジド、アミノ、アルキルアミノ、またはジアルキルアミノであり;
は、水素、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロアルコキシ、アジド、アミノ、アルキルアミノ、またはジアルキルアミノであり;
10は、水素、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロアルコキシ、アジド、アミノ、アルキルアミノ、またはジアルキルアミノであり;
11は、水素、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロアルコキシ、アジド、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルコキシカルボニル、またはベンジルオキシカルボニルであるか、あるいは
10およびR11は一緒になって、OまたはN−OHであり;
但し、R、R、R、R、R、R10またはR11の少なくとも1つは水素ではなく;
Arは、シアノ、ハロ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシおよびアルキルSOからなる群から選ばれる0〜3個の置換基で置換されたフェニルであり;
Xは、O、CHまたはNHであり;そして、
Yは、結合、O、CHまたはNHである]
で示される化合物またはその医薬的に許容し得る塩、である。
【0013】
本発明の別態様は、
が、水素、シアノ、ハロ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アゼチジニル、ピロリジニル、またはピペリジニルであり;
が、式:
【化4】

からなる群から選ばれる1個の置換基で置換されたピペリジニルであるか、あるいは、
が、式:
【化5】

であり;
が、水素、ハロ、シアノ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシまたはハロアルコキシであり;
が、水素、ハロ、シアノ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、またはハロアルコキシであり;
が、水素、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロアルコキシ、アジド、アミノ、アルキルアミノ、またはジアルキルアミノであり;
が、水素、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロアルコキシ、アジド、アミノ、アルキルアミノ、またはジアルキルアミノであり;
が、水素、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロアルコキシ、アジド、アミノ、アルキルアミノ、またはジアルキルアミノであり;
が、水素、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロアルコキシ、アジド、アミノ、アルキルアミノ、またはジアルキルアミノであり;
が、水素、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロアルコキシ、アジド、アミノ、アルキルアミノ、またはジアルキルアミノであり;
10が、水素、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロアルコキシ、アジド、アミノ、アルキルアミノ、またはジアルキルアミノであり;
11が、水素、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロアルコキシ、アジド、アミノ、アルキルアミノ、またはジアルキルアミノであるか、あるいは、
10およびR11が一緒になって、オキソであり;
但し、R、R、R、R、R、R10またはR11の少なくとも1つが水素ではなく;
Arが、シアノ、ハロ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシおよびアルキルSOからなる群から選ばれる0〜3個の置換基で置換されたフェニルであり;
Xが、O、CHまたはNHであり;そして、
Yが、結合、O、CHまたはNHである、
式Iの化合物またはその医薬的に許容し得る塩、である。
【0014】
本発明の別態様は、式:
【化6】

で示される指定された立体化学を有する式Iの化合物、である。
【0015】
本発明の別態様は、
が、水素、ハロ、シアノ、アミノ、アルキルアミノ、またはジアルキルアミノであり;
が、式:
【化7】

からなる群から選ばれる1個の置換基で置換されたピペリジニルであり;
が、水素またはハロであり;
が、水素またはハロであり;
が、水素またはハロであり;
が、水素またはヒドロキシであり;
が、水素であり;
が、水素であり;
が、水素であり;
が、水素またはヒドロキシであり;
10が、水素、ヒドロキシ、アジド、アミノ、アルキルアミノ、またはジアルキルアミノであり;
11が、水素であるか、あるいは、
10およびR11が一緒になってオキソであり;
但し、R、R、R、R、R、R10またはR11の少なくとも1つが水素ではなく;
Arが、0〜2個のハロ置換基で置換されたフェニルであり;
Xが、O、CHまたはNHであり;そして、
Yが、Oである、
式Iの化合物またはその医薬的に許容し得る塩、である。
【0016】
本発明の別態様は、
が水素であり;Rが式:
【化8】

からなる群から選ばれる1個の置換基で置換されたピペリジニルであり;Rが水素またはヒドロキシであり;Rが水素であり;Rが水素であり;Rが水素であり;Rが水素またはヒドロキシであり;R10がヒドロキシ、アジドまたはアミノであって、R11が水素であり、あるいはR10およびR11が一緒になってオキソであり;但し、R、R、R、R、R、R10またはR11の少なくとも1つが水素ではなく;Arがフェニルまたはジフルオロフェニルであり;XがO、CHまたはNHであり;そして、YがOである、
式Iの化合物またはその医薬的に許容し得る塩、である。
【0017】
本発明の別態様は、Rが、水素、シアノ、ハロ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アゼチジニル、ピロリジニル、またはピペリジニルである式Iの化合物、である。
【0018】
本発明の別態様は、Rが、N−ピペリジニルであって、4−置換である式Iの化合物、である。
本発明の別態様は、該置換基が、式:
【化9】

である式Iの化合物、である。
【0019】
本発明の別態様は、
が水素であり;Rが水素であり;Rが水素であり;Rが水素であり;Rが水素であり;R10がヒドロキシ、アジドまたはアミノであり;そして、R11が水素であるか;あるいは、
が水素であり;Rが水素であり;Rが水素であり;Rが水素であり;Rが水素またはヒドロキシであり;そして、R10およびR11が一緒になってオキソであり;あるいは、
が水素であり;Rが水素であり;Rが水素であり;Rが水素であり;Rがヒドロキシであり;R10が水素またはヒドロキシであり;そして、R11が水素であるか;あるいは、
が水素であり;Rが水素であり;Rが水素であり;Rが水素であり;Rが水素であり;R10が水素であり;そして、R11が水素である、
式Iの化合物、である。
【0020】
本発明の別態様は、Arが2個のハロ置換基で置換されたフェニルである式Iの化合物、である。
【0021】
本発明の別態様は、Arが2,3−ジフルオロフェニルである式Iの化合物、である。
【0022】
本発明の別態様は、XがOである式Iの化合物、である。
【0023】
、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、Ar、XおよびYを含めた変量のいくつかの例の範囲は、可変の置換基のいずれかの他の例の範囲と独立して使用することができる。例えば本願発明は、異なる態様の組合せを含む。
【0024】
特に断らない限り、これらの用語は以下の意味内容を有する。
「アルキル」とは、炭素数1〜6個、好ましくは炭素数1〜3個からなる直鎖または分枝のアルキル基を意味する。「アルケニル」とは、炭素数2〜6個および少なくとも1個の二重結合からなる直鎖または分枝のアルキル基を意味する。「シクロアルキル」とは、炭素数3〜7個からなる単環式を意味する。「ヒドロキシアルキル」、「アルコキシ」および置換アルキル分子を有する他の用語は、該アルキル分子についての炭素数1〜6からなる直鎖および分枝の異性体を含む。「ハロアルキル」および「ハロアルコキシ」とは、モノハロ置換アルキルからペルハロ置換アルキルまでの全てのハロゲン化異性体を含む。「アリール」とは、炭素環式およびヘテロ環式の芳香族環式を含む。「アミノ」とは、第1級、第2級、および第3級のアミノ分子を含む。「カルボニル」とは、COを意味する。「オキシ」とは−O−を意味する。「アミノカルボニル」とは、−N(R)C(=O)−を意味する。「オキシカルボニル」とは、−OC(=O)−を意味する。「メチレンカルボニル」とは、−CヒドロゲンC(=O)−を意味する。「アミノ(シアノ)イミノメチル」とは、−NHC(=NCN)−を意味する。括弧書および多重括弧書の用語は、当業者に結合相関関係を明確にすることを意図する。例えば、((R)アルキル)などの用語は、置換基Rで更に置換されたアルキル置換基を意味する。
【0025】
本願発明は、該化合物の全ての医薬的に許容し得る塩形態を含む。医薬的に許容し得る塩とは、対イオンが該化合物の生理学的な活性または毒性に有意に寄与せず、そして例えば薬理学的な等価物として機能する、塩である。これらの塩は、市販の試薬を用いる一般的な有機化学の技術に従って製造することができる。いくつかのアニオン性塩形態は、酢酸塩、アシストレート(acistrate)、ベシル酸塩、臭化物塩、塩化物塩、クエン酸塩、フマル酸塩、グルクロン酸塩、臭化水素塩、塩化水素塩、ヨウ化水素塩、ヨウ化物塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メシル酸塩、硝酸塩、パモ酸塩、リン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、トシル酸塩、およびキシナホ酸塩(xinofoate)を含む。いくつかのカチオン性塩形態は、アンモニウム塩、アルミニウム塩、ベンザチン塩、ビスマス塩、カルシウム塩、コリン塩、ジエチルアミン塩、ジエタノールアミン塩、リチウム塩、マグネシウム塩、メグルミン塩、4−フェニルシクロヘキシルアミン塩、ピペラジン塩、カリウム塩、ナトリウム塩、トロメタミン塩、および亜鉛塩を含む。
【0026】
本願発明のいくつかの化合物は立体異性体形態で存在し得て、そのうちの1例を以下に示す。本願発明は、該化合物の全ての立体異性体および互変異性体の形態を含む。
【化10】

【0027】
本願発明は、親化合物中に存在する原子の全ての同位体を含むと意図する。同位体は、同一の原子番号を有するが、異なる質量数を有する原子を含む。一般的な例(これに限定されない)によって、水素の同位体は重水素および三重水素を含む。炭素の同位体は、13Cおよび14Cを含む。本願発明の同位体標識化化合物は一般的に、他を使用しない限り、非標識化試薬の代わりに、適当な同位体標識化試薬を用いて、当該分野の当業者にとって知られる通常の技術によってまたは本明細書中に記載する製法と類似する製法によって製造することができる。それら化合物は、例えば生物学的な活性を決定する際の基準物質および試薬としての様々な潜在的な用途を有し得る。安定な同位体の場合には、それら化合物は生物学的な性質、薬理学的な性質、または薬物動態学的な性質を好適に改変する可能性を有し得る。
【0028】
製造方法
該化合物は、以下に記載する方法および当該分野における通常の知識内での改変を含めた、当該分野において知られる方法によって製造することができる。いくつかの試薬および中間体が当該分野において知られる。他の試薬および中間体を、容易に入手可能な物質を用いて当該分野において知られる方法によって製造することができる。以下の方法は、例示の目的であり、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。これらの化合物の製造のために利用可能な多数の方法が存在すること、およびそれらの製造法は以下の実施例において提示する方法に限定されるものではないことを、当該分野の当業者によって認識されるだろう。例示されていない、該化合物および該化合物を製造するための製法の改変は、当該分野における通常の知識の範囲内である。製造スキームにおける一般的な構造式および特徴を記載するための変量は、特許請求の範囲または明細書の残り部分における変量とは区別され、そして混同されるべきではない。これらの変量は、本願発明のいくつかの化合物を製造する方法を例示するためだけに意図する。
【0029】
本スキームで使用する略語は通常、当該分野で使用されている慣例に従う。本明細書および実施例で使用する化学的な略語は、以下の通り定義する。
「NaHMDS」:ビス(トリメチルシリル)アミドナトリウム;「DMF」:N,N−ジメチルホルムアミド;「MeOH」:メタノール;「NBS」:N−ブロモスクシンイミド;「TFA」:トリフルオロ酢酸;「LAH」:水素化アルミニウムリチウム;「BOC」;「DMSO」:ジメチルスルホキシド;「h」:時間;「rt」:室温または保持時間(内容により決定する);「min」:分;「EtOAc」:酢酸エチル;「THF」:テトラヒドロフラン;「EDTA」:エチレンジアミン四酢酸;「EtO」:ジエチルエーテル;「DMAP」:4−ジメチルアミノピリジン;「DCE」:1,2−ジクロロエタン;「ACN」:アセトニトリル;「DME」:1,2−ジメトキシエタン;「HOBt」:1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物;「DIEA」:ジイソプロピルエチルアミン;「Nf」:CF(CF)SO−;および、「TMOF」:オルトギ酸トリメチル。
【0030】
いくつかの式Iの化合物は、以下の一般的なスキームにより製造することができる。これまでに知られる構造式IIを様々な臭化アリールでアリール化してIIIを得ることができる。IIIを脱保護して、そして更に処理して式Iのケトアナログとすることができる。IIIのケトン基をアルファ−ヒドロキシル化してVIIとすることができ、このものを更に式Iのヒドロキシルケトン誘導体およびジオール誘導体に変換することができる。別法として、IIIのケトン基を還元してアルコールIVとすることができ、このものを直接的に、式Iのヒドロキシルアナログに変換するか、あるいはハロゲン化アナログVに変換することができる。Vを、ハロゲン化中間体Vに変換することができる。アジド中間体VIを経由して、様々なアジド、アミンの誘導体を製造することができる。これまでに知られるIIのケトン基をケトン中間体VIIIに置きかえることができ、そして様々なアリール基を加えて、中間体IXを得ることができ、次いでこのものを式Iのヒドロキシルアナログに変換することができる。これまでに知られる構造Xを脱水しおよび脱ヒドロキシル化して中間体XIを得ることができ、このものを式Iの位置のOHアナログに変換することができる。
【化11】

【0031】
スキーム1に示す通り、これまでに開示されている化合物の脱保護の後、中間体1を得て、このものを標準的なカップリング条件下で2個の化合物、実施例1および2(該ヒドロキシル基はおそらく、残留酸素によるエノール形態の自動酸化による得られた)を得た。1および2のケトン基を還元して、注意深い分離、精製および特性評価の後に実施例3〜6を得た。
【化12】

【0032】
実施例4の立体化学を解明し、そしてその立体特異的な製造をスキーム2に示す実験によって達成した。水素化ホウ素ナトリウムを用いる該ケトンの簡単な還元により、2個の化合物、2および3を得た。室温でTBAFを用いる該混合物の処理により、主要成分2のみ化合物4へ脱保護され、このものは3と容易に分離された。単結晶をx−線分析のために得て、ここで該シス−ジオールが確認された。高温下でTBAFを用いる3の処理により、該トランス−ジオール5を得て、その構造をまたx−線分析によって確認した。該ケトン基のジアステレオ選択的還元を達成し、そしてアセテート保護およびTIPS脱保護後に、該中間体7を実施例4に変換することができ、その分光学的な性質はこれまでの非立体特異的な製造由来の性質と一致した。
【化13】

【0033】
スキーム3に示す通り、化合物2をトリフェニルホスフィンおよびNCSで処理することによって、クロリド8に83%収率で変換することができた。該クロリド8を、アジド中間体9に変換することができた。化合物8および9は共に単一立体異性体であり、そして該反応はおそらく、該ヒドロキシル保有炭素中心での二重反転により行った。TBAFによる脱保護の後、化合物10を得た。次いで、標準的なカップリング反応に従い、実施例7を良好な収率で得た。該実施例7のTHF中でのトリフェニルホスフィンを用いる処理により、アミノアナログである実施例8を得た。
【化14】

【0034】
スキーム3aは、実施例8の別製造法を例示する。
【化15】

【0035】
スキーム4に示す通り、これまでに知られる(S)−ヒドロキシルケトンを、4工程で50%総収率でキラルエポキシド11に変換した。水素添加により、アルコール12に97%収率で開環した。スワーン酸化により、ケトン13を得て、このものを2,3−ジフルオロフェニルリチウムと反応させて、少量の出発物質の回収と共に第3級アルコール14を79%収率で得た。TBAFによる脱保護後に、該トランス−ジオールをエステル中間体16を経由してミツノブ条件下で該シス−ジオール17に変換した。17の単結晶を得て、そして17における該シス−ジオールの相対的な立体化学をx−線研究によって確認した。最後に、化合物17を標準的なカップリング条件下で定量的な収率で実施例9に変換した。
【化16】

【0036】
該アリール基の可変をスキーム5に例示する。中間体18を、上記の条件を用いて製造した。実施例10および11の製造は、それぞれ実施例8および4に記載する製法に従って達成し、このことは実験項において詳細に記載する。
【化17】

【0037】
スキーム6に示す通り、化合物19をバージェス試薬による処理によって示すアルコールから得た。標準的なジ−ヒドロキシ化により、2つの分離可能なジアステレオ的なジオールを得て、このうち極性が低いトランス化合物20を実施例12に変換した。
【化18】

【0038】
スキーム7に示す通り、モノ−およびジ−ビスメチル化アミンアナログを、該アミノアナログの実施例8をホルムアルデヒドおよびNaBHCNを用いる処理によって簡単に製造した。
【化19】

【0039】
ヒドロキシルアミンを用いる実施例2の処理により、スキーム8に示すオキシム生成物を得た。
【化20】

【0040】
中間体9のアジド基は、スキーム9に示す通り、アミン21に還元して、そしてBocで保護した。脱保護後、該アルコール基をイソシアネート(例えば、24)(これは、公知のアニリン26から1工程で製造した)と反応させて、カルバメート中間体25を得ることができた。脱保護後、実施例17を得ることができる。
【化21】

【0041】
スキーム10に示す通り、中間体23をミツノブ反応により27に変換した。第2のミツノブ反応により、アルコールキラル中心を反転させて、28を得て、このものをヒドラジンで処理後に、該モノ−保護ジアミン29を得た。これまでに知られる反応条件および公知の試薬30との反応により、化合物31を得た。実施例18を、該Boc基の脱保護後に得た。
【化22】

【0042】
スキーム11に示す通り、中間体23はまた、スワーン酸化によりケトン中間体32に変換することができた。該ケトンを、ウィティヒ反応により不飽和エステル33に変換した。水素添加後に、中間体33は2個の分離可能な異性体34および35を与えた。34および35の両方をLiOH水溶液によって加水分解して、それぞれ中間体36および37を得た。標準的なカップリング条件後に、中間体36および37をそれぞれ実施例19および20に変換した。実施例20を、TFAによる処理によって実施例21に変換した。
【化23】

【0043】
生物学的な方法
インビトロ薬理学
(組織培養)
SK−N−MC細胞を、10%ウシ胎児血清(インビトロゲン社製)で補足したアール塩およびL−グルタミン(インビトロゲン社製)からなる培地中で単層として、5%CO下、37℃で増殖した。
【0044】
(膜調製物)
粗膜を、CGRP受容体を発現するSK−N−MC細胞から調製した。該細胞を、リン酸塩緩衝化生理食塩水(155mM NaCl、3.3mM NaHPO、1.1mM KHYDROGENPO、pH 7.4)で2回すすぎ、そして10mM トリス(pH 7.4)および5mM EDTAからなる低張性溶解緩衝液中、4℃で5〜10分間インキュベートした。該細胞を、プレートからポリプロピレンチューブ(16×100mm)へ移し、そしてポリトロンを用いてホモジナイズした。ホモジネートを32,000×gで30分間遠心分離した。該ペレットを冷低張性溶解緩衝液中で0.1%哺乳類プロテアーゼインヒビターカクテル(シグマ社製)と一緒に再懸濁し、そしてタンパク質濃度についてアッセイした。該SK−N−MCホモジネートをアリコートし、そして−80℃で保存した。
【0045】
(放射性リガンド結合アッセイ)
本願発明の化合物を可溶化し、そして100%DMSOを用いる連続希釈を行った。該化合物の連続希釈物由来のアリコートを更に、アッセイ緩衝液(50mM トリス−Cl pH 7.5、5mM MgCl、0.005%トリトンX−100)中に25倍希釈し、そして96ウェルアッセイプレート中に移した(容量50μL)。[125I]−CGRP(GEヘルスケア社またはパーキンエルマー社製)をアッセイ緩衝液中に72pMまで希釈し、そして容量50μMを各ウェルに咥えた。SK−N−MC膜を解凍し、新鮮な0.1%哺乳類プロテアーゼインヒビターカクテル(シグマ社製)を有するアッセイ緩衝液中に希釈し、そして再ホモジナイズした。SK−N−MCホモジネート(7μg/ウェル)を容量100μLで加えた。次いで、該アッセイプレートを室温で2時間インキュベートした。過剰量の冷洗浄緩衝液(50mM トリス−Cl pH 7.5、0.1%BSA)を添加し、直後に予め0.5%PEI中に浸漬したガラスファイバーフィルター(ワットマンGF/B)上でろ過することによって、アッセイを止めた。非特異的結合は、1μMベータ−CGRP(バッケム(Bachem)社製)で規定した。タンパク質結合放射能を、ガンマまたはシンチレーションカウンターを用いて測定した。得られたデータを、4個のパラメータ競合的結合式(XLfit 2.0版)を用いて分析し、そしてIC50値を放射性結合の50%を置換するのに必要とされる本願発明の化合物の濃度として定義した。[125I]−CGRPの最終的なアッセイ濃度は18pMであった。[125I]−CGRPについての平均Kdは25.4pMであった。本願発明の全ての化合物を少なくとも2個の別実験において評価した。データの概要については、表1を参照。
【表1】

【0046】
医薬組成物および処置方法
式Iの化合物は、該CGRP受容体を阻害する。従って、それらは、異常なCGRPレベルに関係しまたはCGRPレベルの調整が治療学上の利益を有し得る、疾患もしくは障害を処置するのに有用である。
【0047】
従って、本発明の別態様は、式Iの化合物を医薬的に許容し得る補助剤、担体または希釈剤と共に含有する医薬組成物である。
【0048】
化合物は一般的に、治療有効量の式Iの化合物またはその医薬的に供し得る塩、および医薬的に許容し得る担体からなる医薬組成物として与えられ、そして通常の賦形剤を含み得る。治療有効量とは、当該分野の医師によって決定される、有意義な患者の利益を与えるのに必要とされる量である。医薬的に許容し得る担体は、容認できる安全性プロファイルを有する従来知られる担体である。組成物は、カプセル剤、錠剤、トローチ剤、および散剤、並びに液体懸濁剤、シロップ剤、エリキシル剤、および液剤を含めた全ての一般的な固体および液体の形態を包含する。固体組成物は、徐放型または持続放出型の製剤に形成することができる。組成物は、一般的な製剤化技術、並びに従来の賦形剤(例えば、結合剤および湿潤剤)およびビヒクル(例えば、水およびアルコール)を用いて製造する。
【0049】
固体組成物は、投与当り有効成分の約1〜約1000mgを供する用量単位で標準的に製剤化される。固体用量単位のいくつかの例は、0.1mg、1mg、10mg、100mg、500mgおよび1000mgである。液体組成物は一般的に、1〜100mg/mLの単位用量の範囲である。液体用量単位のいくつかの例は、0.1mg/mL、1mg/mL、10mg/mL、25mg/mL、50mg/mL、および100mg/mLである。
【0050】
本願発明は、全ての通常の投与様式(例えば、経口、非経口、鼻腔、舌下、および経皮の方法)を包含する。典型的に、該1日用量は、1日0.01〜100mg/体重kgである。一般的には、より多くの量の化合物が経口では必要とされ、一方で非経口ではより少ない。しかしながら、具体的な投与計画は、健全な医学的判断を用いて医師によって決定されるべきである。
【0051】
CGRPへの受容体レベルでのインヒビターは、過剰なCGRP受容体活性化が生じている、病態生理学的状態において有用であると仮定されている。これらのいくつかは、神経性血管拡張、神経性炎症、片頭痛、群発性頭痛および他の頭痛、熱損傷、循環性ショック、閉経期紅潮、および喘息を含む。CGRP受容体活性化は、片頭痛の病因に関与するとみなされている(Edvinsson L. CNS Drugs 2001, 15(10),745-53; Williamson, D. J. Microsc. Res. Tech. 2001, 53, 167-178.; Grant, A. D. Brit. J. Pharmacol. 2002, 135, 356-362)。CGRPの血清中レベルは、片頭痛の間に上昇し(Goadsby PJ, et al. Ann Neurol 1990; 28: 183-7)、そして抗片頭痛薬による処置は、頭痛の緩和と同時にCGRPレベルを正常に戻す(Gallai V. et al. Cephalalgia 1995;15: 384-90)。片頭痛は、コントロールと比較して、基底CGRPレベルの上昇を示す(Ashina M, et al., Pain 2000, 86(1-2):133-8. 2000)。静脈内CGRP注入法は、片頭痛における持続性頭痛を生じる(Lassen LH, et al. Cephalalgia 2002 Feb; 22(1): 54-61)。イヌおよびラットにおける臨床前研究は、該ペプチドアンタゴニストCGRP(8−37)による全身性CGRP遮断が、安静時全身血液動態も局所血液量も変化しないことを報告している(Shen, Y-T. et al, J Pharmacol Exp Ther 2001, 298, 551-8)。従って、CGRP受容体アンタゴニストは、非−選択的な5−HT1B/1Dアゴニスト、「トリプタン」(例えば、スマトリプタン)に関係する活発な血管収縮の心臓血管易罹病性を避ける片頭痛の新規な処置を提供することができる。
【0052】
本発明の別態様は、該CGRP受容体を式Iの化合物またはその医薬的に許容し得る塩と接触させることを含む、該CGRP受容体を阻害する方法である。
【0053】
本発明の別態様は、治療有効量の式Iの化合物を患者に投与することを含む、異常レベルのCGRPに関係する疾患を処置する方法である。
【0054】
本発明の別態様は、異常レベルのCGRPに関連する疾患の処置のための医薬の製造における、式Iの化合物の使用である。
【0055】
本発明の別態様は、片頭痛または頭痛を処置する方法である。
【0056】
本発明の別態様は、本明細書に定義する式(I)の化合物を含有する医薬組成物の投与による、炎症(特に、神経性炎症)、疼痛、熱損傷、循環性ショック、糖尿病、レイノー症候群、末梢動脈機能不全、くも膜下/頭蓋内出血、腫瘍増殖、更年期障害に関係する紅潮、および該CGRP受容体の拮抗作用によって有効となり得る他の疾患を処置する方法に関する。
【0057】
本発明の別態様は、(a)胃粘膜内での免疫調節;(b)心臓アナフィラキシー障害に対する保護効果;(c)骨再吸収のインターロイキン−1b(IL−1b)−刺激の刺激または防止;(d)脊髄ニューロン内でのNK1受容体の発現の調整;および(e)呼吸器炎症性疾患および慢性閉塞性肺疾患(例えば、喘息)からなる群から選ばれる方法に関する。例えば、

(a) Calcitonin Receptor-Like Receptor Is Expressed on Gastrointestinal Immune Cells. Hagner, Stefanie; Knauer, Jens; Haberberger, Rainer; Goeke, Burkhard; Voigt, Karlheinz; McGregor, Gerard Patrick. Institute of Physiology, Philipps University, Marburg, Germany. Digestion (2002), 66(4), 197-203; (b) Protective effects of calcitonin gene-related peptide-mediated evodiamine on guinea-pig cardiac anaphylaxis. Rang, Wei-Qing; Du, Yan-Hua; Hu, Chang-Ping; Ye, Feng; Tan, Gui-Shan; Deng, Han-Wu; Li, Yuan-Jian. School of Pharmaceutical Sciences, Department of Pharmacology, Central South University, Xiang-Ya Road 88, Changsha, Hunan, Naunyn-Schmiedeberg's Archives of Pharmacology (2003), 367(3), 306-311; (c) The experimental study on the effect calcitonin gene-related peptide on bone resorption mediated by interleukin-1. Lian, Kai; Du, Jingyuan; Rao, Zhenyu; Luo, Huaican. Department of Orthopedics, Xiehe Hospital, Tongji Medical College, Huazhong University of Science and Technology, Wuhan, Peop. Rep. China. Journal of Tongji Medical University (2001), 21(4), 304-307, (d) Calcitonin gene-related Peptide regulates expression of neurokinin1 receptors by rat spinal neurons. Seybold VS, McCarson KE, Mermelstein PG, Groth RD, Abrahams LG. J. Neurosci. 2003 23 (5): 1816-1824. epartment of Neuroscience, University of Minnesota, Minneapolis, Minnesota 55455, and Department of Pharmacology, Toxicology, and Therapeutics, University of Kansas Medical Center, Kansas City, Kansas 66160 (e) Attenuation of antigen-induced airway hyperresponsiveness in CGRP-deficient mice. Aoki-Nagase, Tomoko; Nagase, Takahide; Oh-Hashi, Yoshio; Shindo, Takayuki; Kurihara, Yukiko; Yamaguchi, Yasuhiro; Yamamoto, Hiroshi; Tomita, Tetsuji; Ohga, Eijiro; Nagai, Ryozo; Kurihara, Hiroki; Ouchi, Yasuyoshi. Department of Geriatric Medicine, Graduate School of Medicine, University of Tokyo, Tokyo, Japan. American Journal of Physiology (2002), 283(5,Pt. 1), L963-L970; (f) Calcitonin gene-related Peptide as inflammatory mediator. Springer, Jochen; Geppetti, Pierangelo; Fischer, Axel; Groneberg, David A. Charite Campus-Virchow, Department of Pediatric Pneumology and Immunology, Division of Allergy Research, Humboldt-University Berlin, Berlin, Germany. Pulmonary Pharmacology & Therapeutics (2003), 16(3), 121-130; and (g) Pharmacological targets for the inhibition of neurogenic inflammation. Helyes, Zsuzsanna; Pinter, Erika; Nemeth, Jozsef; Szolcsanyi, Janos. Department of Pharmacology and Pharmacotherapy, Faculty of Medicine, University of Pecs, Pecs, Hung. Current Medicinal Chemistry: Anti-Inflammatory & Anti-Allergy Agents (2003), 2(2), 191-218。
【0058】
本願発明の別態様は、COX−2インヒビター、NASIDS、アスピリン、アセトアミノフェン、トリプタン、エルゴタミン、およびカフェインからなる群から選ばれる1個以上の薬剤との式Iの化合物の組み合わせを用いる、片頭痛の処置のための処置方法に関する。
【0059】
「片頭痛」、「頭痛」および関連用語は、医師によって理解されるとおりである。片頭痛は、全てのクラスの片頭痛(例えば、普通型片頭痛、古典的片頭痛、群発性片頭痛、電撃性片頭痛、片まひ性片頭痛、眼筋麻痺性片頭痛、眼片頭痛)を包含する。
【0060】
「治療有効量」とは、医師によって理解される、有意義な患者の利益が存在することを意味する。
【0061】
「患者」とは、医師によって決定される、処置から利益を得ることができるヒトを意味する。
【実施例】
【0062】
具体的な実施態様の記載
略語は一般的に、当該分野において使用される慣例に従う。明細書および実施例において使用される化学的な略語を、以下の通り定義する。
「NaHMDS」:ビス(トリメチルシリル)アミドナトリウム;「DMFE」:N,N−ジメチルホルムアミド;「MeOH」:メタノール;「NBS」:N−ブロモスクシンイミド;「TFA」:トリフルオロ酢酸;「LAH」:水素化アルミニウムリチウム;「BOC」:;「DMSO」:ジメチルスルホキシド;「h」:時間:「rt」:室温または保持時間(内容により決定する);「min」:分;「EtOAc」:酢酸エチル;「THF」:テトラヒドロフラン;「EDTA」:エチレンジアミン四酢酸;「EtO」:ジエチルエーテル;「DMAP」:4−ジメチルアミノピリジン;「DCE」:1,2−ジクロロエタン;「ACN」:アセトニトリル;「DME」:1,2−ジメトキシエタン;「HOBt」:1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物;「DIEA」:ジソイソプロピルエチルアミン;「Nf」:CF(CF)SO−;および、「TMOF」:オルトギ酸トリメチル。
【0063】
本明細書中で使用する略語を、以下の通り定義する。「1×」:1回;「2×」:2回;「3×」:3回;「℃」:摂氏度;「eq」:当量;「g」:グラム;「mg」:ミリグラム;「L」:リットル;「mL」または「ml」:ミリリットル;「μL」:マイクロリットル;「N」:規定;「M」:モル;「mmol」:ミリモル;「min」:分;「h」:時間;「rt」:室温;「RT」:保持時間;「atm」:気圧;「psi」:平方インチ当たりのポンド;「conc.」:濃縮;「sat」または「sat'd」:飽和;「MW」:分子量;「mp」:融点;「ee」:エナンチオ過剰率;「MS」または「Mass Spec」:質量分析;「ESI」:エレクトルスプレーイオン化質量分析;「HR」:高分解能;「HRMS」:高分解能質量分析;「LCMS」:液体クロマトグラフィー質量分析;「HPLC」:高速液体クロマトグラフィー;「RP HPLC」:逆相HPLC;「TLC」または「tlc」:薄層クロマトグラフィー;「NMR」:核磁気共鳴分光学;「1H」:プロトン;「δ」:デルタ;「s」:一重線;「d」:二重線;「t」:三重線;「q」:四重線;「m」:多重線;「br」:幅広い;「Hz」:ヘルツ;および、「α」、「β」、「R」、「S」、「E」および「Z」は、当該分野における当業者にとってよく知られる立体化学の表示である。
【0064】
プロトン核磁気共鳴(1H NMR)スペクトルは、ブルカーAC 300またはAC 500で記録した。全スペクトルを、示す溶媒中で測定し、化学シフト値を内部標準物質テトラメチルシラン(TMS)から低磁場へのδ単位で報告し、そしてプロトン間カップリング定数はヘルツ(Hz)単位で報告する。分裂パターンは以下の通り指定する。s、一重線;d、二重線;t、三重線;q、四重線;m、多重線;br:幅広いピーク。低分解能質量スペクトルおよび見かけ上の分子(MH)または(M−H)を、マイクロマスプラットフォームを用いて測定した。元素分析を、重量パーセントとして報告する。該生成物を、プレパHPLC(カラムYMC S5 ODS(30×100mm)を使用し、流速40.0mL/分および勾配時間8.0分、40%メタノール−60%水−0.1%TFAの溶媒組成から出発して、95%メタノール−5%水−0.1%TFAの溶媒組成で終える)によって精製した。該生成物を、HPLC装置(XTERAカラム(3.0×50mm S7)を使用し、溶媒A(10%メタノール−90%水−0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)から出発して、勾配時間2分かけて、溶媒B(10%水−90%メタノール−0.1%TFA)に達する)によって分析した。流速は5mL/分であり、そして生成物の保持時間(Rf)を220nm波長で測定した。
【0065】
中間体1
【化24】

(6S,9R)-6-(2,3-ジフルオロフェニル)-9-ヒドロキシ-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-5-オン
250mL丸底フラスコ中で、(9R)-6-(2,3-ジフルオロフェニル)-9-(トリイソプロピルシリルオキシ)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-5-オン(0.218 g、0.49 mmol)をテトラヒドロフラン(5mL)に溶解して、無色溶液を得た。窒素下、−15℃(氷−メタノール浴)まで冷却後に、TBSF(0.490mL、0.490mmol)を加え、そして得られた明黄色溶液を−15℃で1時間(午後12:00)撹拌した。そのものを炭酸水素ナトリウム溶液でクエンチし、そして酢酸エチルで希釈した。層分離し、そして該水層を酢酸エチルで抽出した。該有機層を合わせて食塩水で洗浄し、乾燥し、そして濃縮して黄褐色油状物を得た。最大100%酢酸エチル/ヘキサンのFCC(25gシリカゲルカラム)により、目的生成物(112mg、62%)を得た。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 8.53 (dd, J=4.91, 1.64 Hz, 1 H) 7.85 (dd, J=7.68, 1.64 Hz, 1 H) 7.34 (dd, J=7.68, 4.91 Hz, 1 H) 7.00 - 7.16 (m, 3 H) 5.32 (s, 1 H) 4.94 - 5.04 (m, 1 H) 4.48 (dd, J=11.83, 3.02 Hz, 1 H) 2.14 - 2.48 (m, 4 H);19F NMR (376 MHz, クロロホルム-d) δ ppm -138.24 - -138.07 (m, 1 F) -140.70 - -140.50 (m, 1 F)。
【0066】
実施例1、2
【化25】

(6R,9R)-6-(2,3-ジフルオロフェニル)-6-ヒドロキシ-5-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-9-イル 4-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(実施例1)、および(9R)-6-(2,3-ジフルオロフェニル)-5-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-9-イル 4-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(実施例2)
オーブン乾燥した100mL丸底フラスコ中で、(6S,9R)-6-(2,3-ジフルオロフェニル)-9-ヒドロキシ-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-5-オン(112.45mg、0.389mmol)(乾燥ベンゼンと共に共沸した)および4-ニトロフェニル 4-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(224mg、0.583mmol)を、ジメチルホルムアミド(3mL)中に懸濁した。−15℃(氷−メタノール浴)まで冷却後に、NaHMDS(1.555mL、1.555mmol)を滴下した(午前10:30)。得られた黄色溶液を窒素下、−15℃で1時間撹拌した(−10℃まで昇温させると、深赤色の溶液/懸濁液に変化した)。更に30分後に(−5℃まで昇温)、該反応液を炭酸水素ナトリウム溶液でクエンチし、そして酢酸エチルで希釈した。層分離し、そして該水層を酢酸エチルで2回抽出した。該有機層を合わせて食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、そして濃縮して黄色油状物を得た。最大10%メタノール/塩化メチレンのFCCによる精製により、目的生成物(実施例2、60mg、29%、ジアステレオマー混合物)並びに酸化生成物(実施例1、25.5mg、12%、単一ジアステレオマー)(共に白色固体)を得た。
実施例2:MS(ESI)[M+H+] = 534.40; 1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 11.35 (br. s., 1 H) 8.76 (br. s., 1 H) 8.00 - 8.17 (m, 1 H) 7.88 - 8.00 (m, 1 H) 7.29 - 7.55 (m, 2 H) 6.82 - 7.19 (m, 4 H) 6.20 (br. s., 1 H) 4.58 (br. s., 1 H) 4.24 - 4.51 (m, 2 H) 4.12 (q, J=7.22 Hz, 1 H) 2.75 - 3.17 (m, 2 H) 2.02 - 2.68 (m, 6 H) 1.89 (br. s., 2 H)。
実施例1:MS(ESI)[M+H+] = 550.43; 1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 10.77 (br. s., 1 H) 8.72 (br. s., 1 H) 8.06 (d, J=5.04 Hz, 1 H) 7.75 - 7.88 (m, 1 H) 7.32 - 7.53 (m, 3 H) 7.07 - 7.23 (m, 2 H) 6.99 (br. s., 1 H) 6.22 (br. s., 1 H) 4.40 (br. s., 4 H) 2.94 (d, J=17.88 Hz, 2 H) 2.66 (t, J=14.35 Hz, 2 H) 2.10 - 2.52 (m, 4 H) 1.89 (d, J=11.33 Hz, 2 H); 19F NMR (376 MHz, クロロホルム-d) δ ppm -135.79 - -135.42 (m, 1 F) -138.22 (d, J=18.96 Hz, 1 F)。
【0067】
実施例3
【化26】

(5S,6R,9R)-6-(2,3-ジフルオロフェニル)-5,6-ジヒドロキシ-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-9-イル 4-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート
100mL丸底フラスコ中で、(6R,9R)-6-(2,3-ジフルオロフェニル)-6-ヒドロキシ-5-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-9-イル 4-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(実施例1、25.5mg、0.046mmol)をメタノール(1mL)中に溶解して、無色溶液を得た。水素化ホウ素ナトリウム(3.51mL、0.93mmol)を加え、そして該混合物を室温で30分間撹拌した。LCMSは、極性の高い化合物への完全な変換を示した。該混合物を濃縮し、そしてプレパ−HPLCによって直接的に精製した。飽和炭酸水素ナトリウムを加えて、該溶液を塩基性とし、そして該揮発性成分を高真空下で除去した。残存固体を塩化メチレンで繰り返して洗浄し、ろ過した。該溶液を濃縮して、白色固体(12.2mg、45%)を得た。該化合物は単一ジアステレオマーであったが、該相対的な立体化学は確立しなかった。MS(ESI)[M+H+] = 552.44; 1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 10.36 (br. s., 1 H) 8.49 - 8.61 (m, 1 H) 8.05 (d, J=5.04 Hz, 1 H) 7.71 (d, J=7.30 Hz, 1 H) 7.31 - 7.50 (m, 2 H) 7.24 - 7.30 (m, 1 H) 6.91 - 7.18 (m, 3 H) 6.14 (br. s., 1 H) 4.96 (br. s., 1 H) 4.56 (br. s., 1 H) 4.41 (br. s., 2 H) 3.71 - 3.94 (m, 1 H) 2.98 (br. s., 2 H) 2.50 (br. s., 1 H) 2.33 (br. s., 3 H) 1.90 (br. s., 5 H); 19F NMR (376 MHz, クロロホルム-d) δ ppm -135.86, -138.16。
【0068】
実施例4、5、6
【化27】

(5S,6S,9R)-6-(2,3-ジフルオロフェニル)-5-ヒドロキシ-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-9-イル 4-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(実施例4);(5R,6S,9R)-6-(2,3-ジフルオロフェニル)-5-ヒドロキシ-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-9-イル 4-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(実施例5);および(5S,6R,9R)-6-(2,3-ジフルオロフェニル)-5-ヒドロキシ-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-9-イル 4-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート
100mL丸底フラスコ中で、(9R)-6-(2,3-ジフルオロフェニル)-5-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-9-イル 4-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(44.4mg、0.083mmol)(実施例2)をメタノール(1mL)中に溶解して、無色溶液を得た。水素化ホウ素ナトリウム(6.30mg、0.166mmol)を加え、そして該混合物を室温で30分間撹拌した。LCMSは、3成分(おそらくジアステレオマー)(全て目的のMW(M+H=536)を有する)への完全な変換を示した。該混合物を濃縮し、そしてプレパ−HPLC(0.1%TFA−メタノール−水の系)によって直接に精製して、3個の化合物(溶出の順序:実施例4>5>6、純粋な画分のみ収集した)を得た。高真空下での直接的な濃縮(酸性溶液)により、いくつかの分解物を得た(LCMSおよびNMRによる)。それらを個々に炭酸水素ナトリウムを用いて処理し、そして乾固するまで濃縮した。該残渣を塩化メチレンで繰り返して洗浄して、個々の遊離塩基を得た。次いで、それらを個々にFCC(最大10%メタノール/塩化メチレンの勾配)によって精製して、白色固体の生成物である実施例4(6.7mg、14%)、実施例5(5.5mg、12%)および実施例6(3.0mg、6%)を得た。該相対的な立体化学は、厳密には帰属しなかった。
実施例4:1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 10.21 (br. s., 1 H) 8.52 (d, J=3.53 Hz, 1 H) 7.97 - 8.16 (m, 2 H) 7.47 (br. s., 1 H) 7.27 - 7.37 (m, 1 H) 6.90 - 7.22 (m, 4 H) 5.97 (d, J=10.32 Hz, 1 H) 5.32 (d, J = 10.4 Hz, 1 H) 4.26 - 4.74 (m, 3 H) 2.55 - 3.29 (m, 3 H) 2.18 - 2.49 (m, 4 H) 2.07 - 2.17 (m, 1 H) 1.59 - 2.02 (m, 4 H); 19F NMR (376 MHz, クロロホルム-d) δ ppm -137.26 - -136.84 (m, 1 F) -142.46 - -142.13 (m, 1 F)。
実施例5:1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 10.04 (br. s., 1 H) 8.60 (dd, J=4.78, 1.26 Hz, 1 H) 8.05 (br. s., 1 H) 7.66 (d, J=6.55 Hz, 1 H) 7.31 (dd, J=7.43, 4.91 Hz, 3 H) 7.03 - 7.17 (m, 2 H) 6.91 - 7.03 (m, 1 H) 6.25 (d, J=5.79 Hz, 1 H) 4.80 (d, J=8.56 Hz, 1 H) 4.18 - 4.66 (m, 3 H) 3.38 - 3.58 (m, 2 H) 3.02 (d, J=6.29 Hz, 2 H) 2.68 (d, J=13.60 Hz, 2 H) 2.05 - 2.45 (m, 3 H) 1.93 (br. s., 3 H);19F NMR (376 MHz, クロロホルム-d) δ ppm -138.28 (m, 1 F) 143.94 (m, 1 F)。
実施例6:1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 9.47 (br. s., 1 H) 8.50 (dd, J=4.78, 1.26 Hz, 1 H) 8.03 (dd, J=5.16, 1.13 Hz, 1 H) 7.35 - 7.55 (m, 3 H) 7.04 - 7.15 (m, 3 H) 7.00 (dd, J=7.55, 5.29 Hz, 1 H) 6.58 (br. s., 1 H) 4.85 (s, 1 H) 4.61 (br. s., 3 H) 3.36 (br. s., 1 H) 2.55 - 3.15 (m, 3 H) 2.35 (br. s., 1 H) 1.83 - 2.04 (m, 3 H) 1.57 - 1.80 (m, 4 H); 19F NMR (376 MHz, クロロホルム-d) δ ppm -138.49 (br. s., 1 F) -144.30 (m, 1 F)。
【0069】
中間体2、3
【化28】

(5S,6S,9R)-6-(2,3-ジフルオロフェニル)-9-(トリイソプロピルシリルオキシ)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-5-オールおよび(5R,6S,9R)-6-(2,3-ジフルオロフェニル)-9-(トリイソプロピルシリルオキシ)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-5-オール
100mL丸底フラスコ中で、(9R)-6-(2,3-ジフルオロフェニル)-9-(トリイソプロピルシリルオキシ)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-5-オン(510mg、1.144mmol)(主にトランス異性体)をメタノール(5mL)中に溶解して、無色溶液を得た。水酸化ホウ素ナトリウム(87mg、2.29mmol)を加え、そして該混合物を室温で1時間撹拌した。LCMSは、完全な変換を示した。メタノールを真空下で除去し、そして該残渣を水および酢酸エチルとの間で分配した。層分離した。該有機層を食塩水で洗浄し、乾燥し、そして濃縮して明黄色油状物(492mg、96%)を得た。
【0070】
中間体4
【化29】

(5S,6S,9R)-6-(2,3-ジフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-5,9-ジオール
100mL丸底フラスコ中で、(9R)-6-(2,3-ジフルオロフェニル)-9-(トリイソプロピルシリルオキシ)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-5-オール(中間体2および3の混合物、224.3mg、0.501mmol)をテトラヒドロフラン(4mL)中に溶解して、無色溶液を得た。TBAF(0.752mL、0.752mmol)を加え、そして該混合物を室温で2時間撹拌した。LCMSは主要成分の完全な変換を示し、一方で少量成分は変化しなかった。テトラヒドロフランを真空下で除去し、そして該残渣を水および酢酸エチルの間で分配した。層分離し、そして該水層を酢酸エチルで抽出した。該有機層を合わせて食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、そして濃縮して黄褐色油状物を得た。最大50%酢酸エチル/ヘキサンのFCCにより、白色結晶性固体の不変中間体3(38mg、17%)および無色油状物の中間体4(95mg、65%)(放置すると固化した)を得た。中間体4を更に結晶化し、そして単結晶を得た。その相対的な立体化学はx−線の研究によって解明した。
中間体3:MS(ESI)[M+H+] = 448.43; 1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 8.34 - 8.48 (m, 1 H) 7.62 (d, J=7.55 Hz, 1 H) 7.15 (dd, J=7.81, 4.78 Hz, 1 H) 6.89 - 7.05 (m, 1 H) 6.67 - 6.82 (m, 1 H) 6.24 (br. s., 1 H) 5.81 (br. s., 1 H) 5.38 (d, J=4.78 Hz, 1 H) 3.93 (br. s., 1 H) 2.59 (br. s., 1 H) 2.31 (d, J=4.53 Hz, 1 H) 2.13 - 2.25 (m, 1 H) 2.01 - 2.12 (m, J=14.20, 7.07, 7.07, 3.65 Hz, 1 H) 1.85 - 2.01 (m, 1 H) 1.10 - 1.23 (m, 3 H) 1.02 - 1.08 (m, 9 H) 0.93 - 1.00 (m, 9 H)。
中間体4:MS(ESI)[M+H+] = 292.26; 1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 8.45 (dd, J=4.78, 1.26 Hz, 1 H) 8.10 (d, J=7.81 Hz, 1 H) 7.24 - 7.36 (m, 1 H) 6.97 - 7.18 (m, 3 H) 5.77 - 6.44 (m, 1 H) 5.08 (d, J=10.07 Hz, 1 H) 4.70 - 4.84 (m, 1 H) 2.93 - 3.08 (m, 1 H) 2.55 (br. s., 1 H) 2.17 - 2.38 (m, 2 H) 2.04 - 2.13 (m, 1 H) 1.39 - 1.58 (m, 1 H); 19F NMR (376 MHz, クロロホルム-d) δ ppm -137.35 - -136.88 (m, 1 F) -142.50 - -142.13 (m, 1 F); 13C NMR (101 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 157.58 (s, 1 C) 150.05 - 152.35 (dd, J = 12.5および199 Hz, 1 C) 147.63 - 149.87 (dd, J = 13.0 および 197 Hz, 1 C) 145.43 (s, 1 C) 136.62 (s, 1 C) 133.15 (s, 1 C) 132.69 (d, J=11.56 Hz, 1 C) 124.36 - 124.79 (m, 1 C) 123.71 (br. s., 1 C) 122.74 (s, 1 C) 115.75 (d, J=16.96 Hz, 1 C) 71.37 (s, 1 C) 71.12 (s, 1 C) 46.21 (br. s., 1 C) 35.70 (s, 1 C) 32.83 (s, 1 C)。
【0071】
中間体5
【化30】

((5R,6S,9R)-6-(2,3-ジフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-5,9-ジオール
100mL丸底フラスコ中で、(5R,6S,9R)-6-(2,3-ジフルオロフェニル)-9-(トリイソプロピルシリルオキシ)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-5-オール(91mg、0.203mmol)(中間体3)をテトラヒドロフラン(2mL)中に溶解して、無色溶液を得た。TBAF(0.407mL、0.407mmol)を加え、そして該混合物を50℃で16時間、終夜加熱した。LCMSは、完全な変換を示した。該混合物を酢酸エチルおよび水で希釈した。層分離し、そして該水層を酢酸エチルで抽出した。該有機層を合わせて食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、そして濃縮して黄褐色油状物を得た。最大50%酢酸エチル/ヘキサンのFCCにより、白色結晶性固体の目的生成物(55.5mg、94%)を得た。中間体5を更に結晶化させ、そして単結晶を得た。その相対的な立体化学はx−線研究によって確立した。MS(ESI)[M+H+] = 292.26; 1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 8.37 (dd, J=5.04, 1.51 Hz, 1 H) 7.52 (dd, J=7.55, 1.51 Hz, 1 H) 7.37 - 7.49 (m, 1 H) 7.19 (dd, J=7.30, 5.04 Hz, 1 H) 7.00 - 7.15 (m, 2 H) 5.96 (br. s., 1 H) 5.23 (dd, J=11.58, 2.27 Hz, 1 H) 4.78 (s, 1 H) 3.22 - 3.32 (m, 1 H) 3.10 (br. s., 1 H) 2.74 - 2.89 (m, 1 H) 2.29 (dddd, J=13.60, 5.16, 2.77, 2.64 Hz, 1 H) 1.77 - 1.91 (m, 1 H) 1.47 - 1.67 (m, 1 H); 19F NMR (376 MHz, クロロホルム-d) δ ppm -138.73 - -138.11 (m, 1 F) -144.45 - -144.03 (m, 1 F); 13C NMR (101 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 160.75 (s, 1 C) 149.14 - 151.82 (dd, J = 14.0 および 246 Hz, 1 C) 146.49 - 149.15 (dd, J = 12.0 および 244 Hz, 1 C) 146.14 (s, 1 C) 136.75 (s, 1 C) 135.45 (s, 1 C) 134.93 (d, J=10.79 Hz, 1 C) 123.79 - 124.30 (m, 1 C) 123.38 (s, 1 C) 122.20 (s, 1 C) 115.24 (d, J=16.96 Hz, 1 C) 77.94 (s, 1 C) 70.62 (s, 1 C) 40.42 (s, 1 C) 36.62 (s, 1 C) 26.81 (s, 1 C)。
【0072】
中間体6
【化31】

(5S,6S,9R)-6-(2,3-ジフルオロフェニル)-9-(トリイソプロピルシリルオキシ)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-5-イル アセテート
250mL丸底フラスコ中で、(5S,6S,9R)-6-(2,3-ジフルオロフェニル)-9-(トリイソプロピルシリルオキシ)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-5-オール(1.004g、2.243mmol)を塩化メチレン(20mL)中に溶解して、無色溶液を得た。無水酢酸(0.423mL、4.49mmol)およびトリエチルアミン(0.983mL、6.73mmol)を加え、続いてDMAP(0.055g、0.449mmol)を加えた。該混合物を窒素下、室温で2時間撹拌した。LCMSは、完全な変換を示した。炭酸水素ナトリウム溶液でクエンチし、そして酢酸エチルで希釈した。層分離した。該有機層を食塩水で洗浄し、乾燥し、そして濃縮して無色油状物(100%)を得て、このものを更に精製および特性評価することなく、次の反応に直接的に行った。MS(ESI)[M+H+] = 490.26。
【0073】
中間体7
【化32】

(5S,6S,9R)-6-(2,3-ジフルオロフェニル)-9-ヒドロキシ-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-5-イル アセテート
100mL丸底フラスコ中で、(5S,6S,9R)-6-(2,3-ジフルオロフェニル)-9-(トリイソプロピルシリルオキシ)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-5-イル アセテート(1098mg、2.243mmol)(乾燥ベンゼンと共に共沸した)をテトラヒドロフラン(20mL)中に溶解して、無色溶液を得た。TBAF(2.69mL、2.69mmol)を加え、そして得られた明黄色溶液を室温で2時間撹拌した(午前8:30)。LCMSは、完全な変換を示した。テトラヒドロフランを真空下で除去し、そして該残渣を水及び酢酸エチルで希釈した。層分離した。該有機層を食塩水で洗浄し、乾燥し、そして濃縮して無色油状物を得た。最大70%酢酸エチル/ヘキサンのFCCによる精製により、無色油状物の目的生成物(648mg、2工程で87%)を得た。MS(ESI)[M+H+] = 334.21; 1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 8.47 (dd, J=4.78, 1.51 Hz, 1 H) 7.69 (d, J=7.30 Hz, 1 H) 7.28 (dd, J=7.81, 5.04 Hz, 1 H) 6.94 - 7.10 (m, 3 H) 6.20 (d, J=10.32 Hz, 1 H) 5.95 (br. s., 1 H) 4.95 (dd, J=11.21, 1.64 Hz, 1 H) 3.16 - 3.31 (m, 1 H) 2.27 - 2.41 (m, 2 H) 2.06 - 2.19 (m, 1 H) 1.80 (s, 3 H) 1.48 - 1.63 (m, 1 H); 13C NMR (101 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 168.96 (s, 1 C) 157.96 (s, 1 C) 149.66 - 151.75 (d, J = 12.6 および 199 Hz, 1 C) 147.21 - 149.29 (d, J = 13 および 198 Hz, 1 C) 146.00 (s, 2 C) 133.43 (s, 1 C) 132.23 (d, J=11.56 Hz, 1 C) 131.99 (s, 2 C) 123.90 - 124.24 (m, 2 C) 122.89 (br. s., 1 C) 122.66 (s, 2 C) 115.36 (d, J=16.95 Hz, 2 C) 72.77 (s, 2 C) 71.14 (s, 3 C) 42.12 (br. s., 1 C) 35.66 (s, 2 C) 32.68 (s, 2 C) 20.28 (s, 2 C); 19F NMR (376 MHz, クロロホルム-d) δ ppm -138.20 - -137.93 (m, 1 F) -143.38 - -143.16 (m, 1 F)。
【0074】
実施例4
【化33】

(5S,6S,9R)-6-(2,3-ジフルオロフェニル)-5-ヒドロキシ-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-9-イル 4-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(実施例4)
オーブン乾燥した100mL丸底フラスコ中で、(5S,6S,9R)-6-(2,3-ジフルオロフェニル)-9-ヒドロキシ-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-5-イル アセテート(96.7mg、0.290mmol)(乾燥ベンゼンと共に共沸した)および4-ニトロフェニル 4-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(167mg、0.435mmol)を窒素下、ジメチルホルムアミド(3mL)中に溶解した。−15℃(氷−メタノール浴)まで冷却後に、NaHMDS(0.870mL、0.870mmol)を滴下した。得られた暗−赤色溶液を窒素下、−15℃〜0℃で1時間撹拌した。LCMSは、目的生成物およびあり得る過剰加水分解された生成物を示した。室温で更に1時間後では、完全な加水分解は未だ達成されなかった。該反応液を炭酸水素ナトリウム溶液でクエンチし、そして揮発物を除去した。該混合物を酢酸エチルで希釈した。層分離し、そして該水層を酢酸エチルで2回抽出した。該有機相を合わせて食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、そして濃縮して黄色油状物を得た。最大10%メタノール/塩化メチレンのFCCによる精製により、アセテート保護生成物(第2ピーク、51mg、30%、純粋でない)並びに標的アルコール(第3ピーク、20mg、13%)を得た。250mL丸底フラスコ中で、(5S,6S,9R)-5-アセトキシ-6-(2,3-ジフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-9-イル 4-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(51mg、0.088mmol)(上記由来のアセテート保護生成物)をメタノール(1mL)中に溶解して、無色溶液を得た。炭酸カリウム(122mg、0.883mmol)を加え、そして該混合物を室温で1時間撹拌した。LCMSは、完全な変換を示した。メタノールを真空下で除去した。該残渣を水および酢酸エチルの間で分配した。層分離した(LCMSにより、水層中には生成物はなかった)。該有機層を食塩水で洗浄し、乾燥し、そして濃縮して白色固体を得た。最大10%メタノール/塩化メチレンのFCCによる精製により、明黄色固体の目的生成物(28mg、56%)を得た。1Hおよび19F NMRスペクトルが得られ、これは実施例4のものと一致した。
【0075】
中間体8
【化34】

(5R,6S,9R)-5-クロロ-6-(2,3-ジフルオロフェニル)-9-(トリイソプロピルシリルオキシ)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン
オーブン乾燥した250mL○底フラスコ中で、NCS(0.751g、5.62mmol)をテトラヒドロフラン(15mL)中に懸濁した。トリフェニルホスフィン(1.475g、5.62mmol)を加えた。窒素下で5分間撹拌後に、(5S,6S,9R)-6-(2,3-ジフルオロフェニル)-9-(トリイソプロピルシリルオキシ)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-5-オール(1.007g、2.250mmol)を灰色懸濁液に1回で加えた。該得られた赤みがかった懸濁液を室温で撹拌した。該固体を徐々に溶解して、黄褐色溶液を得た。5時間後に、LCMSは完全な変換を示した。テトラヒドロフランを真空下で除去し、そして残存赤色油状物をISCO(240gシリカカラム)(最大60%酢酸エチル/ヘキサン)によって直接的に精製した。純粋な酢酸エチルで溶出した非極性成分および生成物を、10%メタノール(2.0M NHOH)/塩化メチレンによって溶出した。該生成物画分をあわせて、そして最大50%酢酸エチル/へキサンのFCCによって再精製して、無色油状物の目的生成物(869mg、83%)を得た。MS(ESI)[M+H+] = 466.22; 1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 8.55 (d, J=3.53 Hz, 1 H) 7.63 (br. s., 1 H) 7.20 (dd, J=7.68, 4.91 Hz, 1 H) 7.01 - 7.15 (m, 1 H) 6.90 - 7.01 (m, 1 H) 6.66 - 6.90 (m, 1 H) 5.55 - 5.85 (m, 1 H) 5.40 - 5.56 (m, 1 H) 3.96-4.33 (m, 1 H) 2.33 (br. s., 3 H) 2.09 - 2.20 (m, 1 H) 1.14 - 1.23 (m, 3 H) 1.04 - 1.14 (m, 9 H) 1.01 (d, J=7.30 Hz, 9 H)。
【0076】
中間体9
【化35】

(5S,6S,9R)-5-アジド-6-(2,3-ジフルオロフェニル)-9-(トリイソプロピルシリルオキシ)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン
100mL丸底フラスコ中で、(5R,6S,9R)-5-クロロ-6-(2,3-ジフルオロフェニル)-9-(トリイソプロピルシリルオキシ)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン(566mg、1.214mmol)をジメチルホルムアミド(5mL)中に溶解して、無色溶液を得た。アジ化ナトリウム(474mg、7.29mmol)を加え、そして該混合物を窒素下、室温で2.5時間撹拌した。LCMSは、部分的な反応のみを示した。該混合物を50℃で終夜加熱した。15時間後に、LCMSは、脱離生成物を伴なう完全な変換を示した。該混合物を水および酢酸エチルで希釈した。層分離した。該有機層を食塩水で洗浄し、乾燥し、そして濃縮して、無色油状物を得た。該粗生成物を更に精製および特性評価せずに、次の反応で行った。少量スケールの精製により、分析用試料を得た:MS(ESI)[M+H+] = 473.27; 1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 8.52 - 8.63 (m, 1 H) 7.75 (d, J=7.81 Hz, 1 H) 7.23 - 7.36 (m, 1 H) 6.95 - 7.17 (m, 2 H) 6.89 (br. s., 1 H) 5.28 (d, J=4.03 Hz, 1 H) 4.90 (d, J=9.07 Hz, 1 H) 3.79 (t, J=9.44 Hz, 1 H) 1.86 - 2.23 (m, 4 H) 1.16 - 1.30 (m, 3 H) 0.98 - 1.15 (m, 18 H); 19F NMR (376 MHz, クロロホルム-d) δ ppm -137.68 - -137.36 (m, 1 F) -141.78 - -141.54 (m, 1 F)。
【0077】
中間体10
【化36】

(5S,6S,9R)-5-アジド-6-(2,3-ジフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-9-オール
100mL丸底フラスコ中で、(5S,6S,9R)-5-アジド-6-(2,3-ジフルオロフェニル)-9-(トリイソプロピルシリルオキシ)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン(0.732g、1.549mmol)(粗)をテトラヒドロフラン(8mL)中に溶解して、無色溶液を得た。TBAF(1.859mL、1.859mmol)を加え、そして得られた明黄色溶液を室温で1.5時間撹拌した。LCMSは、完全な変換を示した。テトラヒドロフランを除去し、そして該残渣を水および酢酸エチルで希釈した。層分離した。該有機層を食塩水で洗浄し、乾燥し、そして濃縮して明黄色油状物を得た。最大60%酢酸エチル/ヘキサンのFCCによる精製により、無色油状物の目的生成物(粗重量:480mg)を得た。少量スケールの精製により、分析用試料を得た:MS(ESI)[M+H+] = 317.22; 1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 8.51 (dd, J=4.91, 1.38 Hz, 1 H) 7.99 (d, J=7.30 Hz, 1 H) 7.35 (dd, J=7.81, 5.04 Hz, 1 H) 7.06 - 7.20 (m, 2 H) 6.94 - 7.05 (m, 1 H) 5.91 (br. s., 1 H) 5.03 (d, J=10.32 Hz, 1 H) 4.92 (dd, J=11.21, 2.39 Hz, 1 H) 2.84 - 3.02 (m, 1 H) 2.37 - 2.49 (m, 1 H) 2.25 - 2.36 (m, 1 H) 2.07 - 2.17 (m, J=14.38, 4.94, 3.05, 3.05 Hz, 1 H) 1.40 - 1.64 (m, 1 H); 13C NMR (101 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 158.48 (s, 1 C) 152.19 - 149.87 (dd, J=13.10 および 221Hz, 1 C) 149.72 - 147.42 (dd, J=13.87 および 219 Hz, 1 C) 146.16 (s, 3 C) 133.67 (s, 2 C) 133.23 (s, 1 C) 132.66 (d, J=10.79 Hz, 1 C) 124.43 (dd, J=6.94, 3.85 Hz, 2 C) 123.84 (br. s., 1 C) 122.89 (s, 2 C) 115.98 (d, J=17.73 Hz, 2 C) 70.94 (s, 3 C) 65.67 (s, 1 C) 45.43 (br. s., 1 C) 35.71 (s, 3 C) 33.45 (s, 2 C); 19F NMR (376 MHz, クロロホルム-d) δ ppm -137.55 - -137.20 (m, 1 F) -142.28 - -141.89 (m, 1 F)。
【0078】
実施例7
【化37】

(5S,6S,9R)-5-アジド-6-(2,3-ジフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-9-イル 4-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート
100mL丸底フラスコ中で、(5S,6S,9R)-5-アジド-6-(2,3-ジフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-9-オール(0.490g、1.549mmol)(乾燥ベンゼンと共に共沸した)および4-ニトロフェニル 4-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(0.713g、1.859mmol)をジメチルホルムアミド(8mL)中に溶解して、窒素下で明黄色懸濁液を得た。−15℃(氷−メタノール浴)まで冷却後に、NaHMDS(4.18mL、4.18mmol)を滴下した。得られた黄褐色溶液を窒素下、−10℃〜0℃で2時間および室温で2時間撹拌した。LCMSは、完全な変換を示した。該反応液を炭酸水素ナトリウム溶液でクエンチした。該混合物を酢酸エチルで希釈した。層分離し、そして該水層を酢酸エチルで抽出した。該有機層をあわせて水、食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、そして濃縮して黄褐色油状物を得た。最大8%メタノール/塩化メチレンのFCCによる精製により、明黄色発泡体の目的生成物(主要なピーク、632mg、3工程で73%)を得た。MS(ESI)[M+H+] = 561.27; 1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 11.50 (br. s., 1 H) 8.58 (d, J=3.78 Hz, 1 H) 8.11 (d, J=5.04 Hz, 1 H) 7.91 (d, J=7.30 Hz, 1 H) 7.33 (br. s., 2 H) 7.07 - 7.19 (m, 2 H) 6.92 - 7.06 (m, 2 H) 6.10 (d, J=9.32 Hz, 1 H) 5.23 (d, J=10.07 Hz, 1 H) 4.26 - 4.84 (m, 3 H) 2.46 - 3.34 (m, 4 H) 2.20 - 2.43 (m, 3 H) 2.01 - 2.13 (m, 1 H) 1.94 (d, J=12.34 Hz, 3 H); 19F NMR (376 MHz, クロロホルム-d) δ ppm -137.30 - -137.01 (m, 1 F) -142.32 - -142.03 (m, 1 F)。
【0079】
実施例8
【化38】

(5S,6S,9R)-5-アミノ-6-(2,3-ジフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-9-イル 4-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート
100mL丸底フラスコ中で、(5S,6S,9R)-5-アジド-6-(2,3-ジフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-9-イル 4-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(620mg、1.106mmol)(実施例7)をテトラヒドロフラン(5mL)中に溶解して、無色溶液を得た。トリメチルホスフィン(3.32mL、3.32mmol、1.0Mトルエン溶液)を加えた。該混合物を室温で撹拌した。2時間後に、LCMSは出発物質を示さなかった。水(0.080mL、4.42mmol)を加え、そして該混合物を更に3時間撹拌した。LCMSは、目的生成物への完全な変換を示した。揮発性成分を真空下で除去し、そして該残渣を最大10%メタノール/塩化メチレンのFCCによって精製して、白色固体の生成物(510mg、85%)を得た。MS(ESI)[M+H+] = 535.23; 1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 10.39 (br. s., 1 H) 8.52 (d, J=3.78 Hz, 1 H) 8.09 (d, J=5.04 Hz, 2 H) 7.46 (br. s., 1 H) 7.26 - 7.38 (m, 1 H) 7.06 - 7.20 (m, 3 H) 6.94 - 7.05 (m, 1 H) 6.06 - 6.23 (m, 1 H) 4.31 - 4.78 (m, 4 H) 4.05 (spt, J=6.13 Hz, 1 H) 2.57 - 3.25 (m, 3 H) 2.17 - 2.38 (m, 3 H) 1.42 - 2.04 (m, 6 H); 19F NMR (376 MHz, クロロホルム-d) δ ppm -136.90 (br. s., 1 F) -142.48 - -142.21 (m, 1 F)。
【0080】
中間体11
【化39】

エポキシド
1.オーブン乾燥した250mL丸底フラスコ中で、5(S)-9-ヒドロキシ-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-5-オン(3.16g、17.83mmol)を塩化メチレン(50mL)中に溶解して、黄褐色溶液を得た。0℃まで冷却後に、TIPS−OTf(4.84mL、17.83mmol)およびトリエチルアミン(4.97mL、35.7mmol)をシリンジで加え、そして該混合物を0℃1時間撹拌した。LCMSは、完全な変換を示した。揮発性成分を真空下で除去し、そして該残渣を炭酸水素ナトリウム溶液および酢酸エチルの間で分配した。層分離し、そして該有機層を食塩水で洗浄し、乾燥し、そして濃縮して黄褐色油状物を得た。該粗生成物を次の反応に直接に使用した。MS(ESI)[M+H+] = 334.28。
【0081】
2.250mL丸底フラスコ中で、(S)-9-(トリイソプロピルシリルオキシ)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-5-オン(5.95g、17.83mmol)(粗)をメタノール(50mL)中に溶解して、黄褐色溶液を得た。水素化ホウ素ナトリウム(0.675g、17.83mmol)を加え、そして該混合物を室温で1時間撹拌した。LCMSは、完全な変換を示した。メタノールを真空下で除去し、そして該残渣を水および酢酸エチルの間で分配した。層分離した。該有機層を食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、そして濃縮して黄褐色油状物を得て、このものを更に精製および特性評価せずに次の反応で行った。MS(ESI)[M+H+] = 336.28(LCMSは2個のジアステレオマーを示した)。
【0082】
3.250mL丸底フラスコ中で、(9S)-9-(トリイソプロピルシリルオキシ)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-5-オール(5.98g、17.83mmol)および(メトキシカルボニルスルファモイル)トリエチルアンモニウムヒドロキシド内部塩(6.37g、26.7mmol)をベンゼン(100mL)中に懸濁した。該混合物を、窒素下、撹拌しながら5時間加熱還流(85℃で予め加熱した油浴)した。LCMSは、完全な変換を示した。揮発成分を真空下で除去し、そして該残渣を水および酢酸エチルの間で分配した。層分離した。該有機層を食塩水で洗浄し、乾燥し、そして濃縮して油状物(6.3g)を得て、このものを更に精製および特性評価せずに次の反応で直接的に使用した。MS(ESI)[M+H+] = 318.32。
【0083】
4.2L丸底フラスコ中に、次亜塩素酸ナトリウム(658mL、574mmol)を加えた。リン酸ナトリウム(二塩基性)(3.04g、21.40mmol)を加えた。0℃まで冷却後に、塩化メチレン(140mL)中に溶解した、(S,Z)-9-(トリイソプロピルシリルオキシ)-8,9-ジヒドロ-7H-シクロヘプタ[b]ピリジン(5.66g、17.83mmol)およびマンガン(II) 6,6'-(1E,1'E)-(1R,2R)-シクロヘキサン-1,2-ジイルビス(アザン-1-イル-1-イリデン)ビス(メタン-1-イル-1-イリデン)ビス(2,4-ジ-tert-ブチルフェノレート)クロリド(1.359g、2.140mmol)を、1時間かけて滴下した。該暗反応混合物を室温までゆっくりと昇温させ、そして終夜20時間撹拌した。LCMSは、出発物質が全くない生成物のピークを示した。該混合物を水およびエーテルで希釈した。層分離し、そして該水層をエーテルで2回抽出した。該有機層をあわせて水、食塩水で洗浄し、セライトで乾燥し、そして濃縮して暗油状物を得た。最大50%酢酸エチル/ヘキサンのFCCによる精製により、明黄色油状物の目的生成物(2.98g、4工程で50%)を得た。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 8.25 - 8.44 (m, 1 H) 7.81 (d, J=8.31 Hz, 1 H) 7.13 (td, J=7.05, 3.53 Hz, 1 H) 4.94 - 5.16 (m, 1 H) 3.88 - 4.04 (m, 1 H) 3.25 - 3.48 (m, 1 H) 2.18 - 2.38 (m, 1 H) 1.89 - 2.11 (m, 2 H) 1.11 - 1.29 (m, 1 H) 0.62 - 1.10 (m, 21 H)。
【0084】
中間体12
【化40】

(6S,9S)-9-(トリイソプロピルシリルオキシ)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-6-オール
500mL丸底フラスコ中で、中間体11(2.98g、8.93mmol)をメタノール(60mL)中に溶解して、黄色溶液を得た。Pd/C(10%、0.475g、0.447mmol)を加えた。該混合物を水素(1気圧)下、室温で2時間撹拌した。LCMSは、良好な変換を示した。更に1時間後に、該混合物をろ過し、そしてメタノールで洗浄した。該有機溶液を合わせて濃縮して、明黄色油状物を得て、このものを更に3日間乾燥して明黄色固体(2.91g、97%)を得て、このものを更に精製および特性評価せずに次の工程に使用した。MS(ESI)[M+H+] = 336.35。
【0085】
中間体13
【化41】

(S)-9-(トリイソプロピルシリルオキシ)-8,9-ジヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-6(7H)-オン
オーブン乾燥した250mL丸底フラスコ中で、塩化オキサリル(9.54mL、19.08mmol)を塩化メチレン(40mL)中に溶解して、窒素下、−55℃で無色溶液を得た。DMSO(2.71mL、38.2mmol)を2分間かけてゆっくりと滴下した。該溶液を更に30分間撹拌後に、8mLの塩化メチレン(8mLすすぎ液を足す)中に溶解した(6S,9S)-9-(トリイソプロピルシリルオキシ)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-6-オール(2.91g、8.67mmol)(粗、乾燥ベンゼンと共に共沸した)をカニューレで5分間かけて加えた。該反応混合物を−50〜−55℃で更に40分間撹拌した。トリエチルアミン(6.04mL、43.4mmol)を−50℃でシリンジで加え、そして該反応混合物を徐々に−20℃まで30分間昇温させた。TLCは、完全な変換を示した。水および酢酸エチルを加え、そして層分離した。該水層を酢酸エチルで抽出した。該有機層を合わせて硫酸ナトリウムで乾燥し、そして濃縮して黄褐色油状物を得た。最大50%酢酸エチル/ヘキサンのFCCによる精製により、明黄色油状物の目的物(2.08g、72%)を得た。MS(ESI)[M+H+] = 334.35; 1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 8.39 (d, J=5.04 Hz, 1 H) 7.49 (d, J=7.55 Hz, 1 H) 7.19 (dd, J=7.55, 4.78 Hz, 1 H) 5.26 (dd, J=4.78, 2.27 Hz, 1 H) 4.69 (d, J=14.35 Hz, 1 H) 3.29 (d, J=14.35 Hz, 1 H) 3.02 (ddd, J=12.15, 9.00, 6.04 Hz, 1 H) 2.45 - 2.59 (m, 1 H) 2.31 - 2.45 (m, 1 H) 2.06 - 2.25 (m, J=8.53, 8.53, 5.98, 2.39 Hz, 1 H) 1.06 - 1.19 (m, 3 H) 1.01 (d, J=7.30 Hz, 9 H) 0.89 - 0.97 (m, 9 H)。
【0086】
中間体14
【化42】

(6S,9S)-6-(2,3-ジフルオロフェニル)-9-(トリイソプロピルシリルオキシ)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-6-オール
オーブン乾燥した250mL丸底フラスコ中で、1,2-ジフルオロベンゼン(0.680mL、6.90mmol)をテトラヒドロフラン(12mL)中に窒素下で溶解した。−65℃まで冷却後に、n−BuLi(1M ヘキサン溶液、2.208mL、5.52mmol)をシリンジで滴下した。該混合物を−65℃と−60℃の間で30分間撹拌後に、そのものを−78℃まで冷却した。テトラヒドロフラン(4mL、4mLすすぎ液を足す)中の(S)-9-(トリイソプロピルシリルオキシ)-8,9-ジヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-6(7H)-オン(920.5mg、2.76mmol)(80304-043)溶液をシリンジで加え(黄色に変化した)、そして該反応液を−78℃で1時間(黄色に着色)および室温で30分間(赤色に着色)撹拌した。LCMSは、良好な変換を示した。該反応液を飽和NHCl溶液によってクエンチした。テトラヒドロフランを除去し、そして該残渣を水および酢酸エチルの間で分配した。層分離した。該有機層を食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、そして濃縮して黄褐色油状物を得た。最大80%酢酸エチル/ヘキサンのFCCによる分離により、黄色油状物の回収SM(197mg、21%)並びに無色油状物の目的物(977mg、79%)を得た。MS(ESI)[M+H+] = 448.33; 1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 8.26 (d, J=3.53 Hz, 1 H) 7.42 (t, J=6.42 Hz, 1 H) 7.35 (d, J=7.30 Hz, 1 H) 6.99 - 7.13 (m, 3 H) 5.16 (br. s., 1 H) 4.63 (d, J=13.85 Hz, 1 H) 3.02 - 3.28 (m, 1 H) 2.71 (d, J=14.10 Hz, 1 H) 2.34 (d, J=4.03 Hz, 1 H) 2.02 - 2.15 (m, 2 H) 1.75 (d, J=13.85 Hz, 1 H) 1.06 - 1.19 (m, J=14.67, 7.27, 7.27, 7.05 Hz, 3 H) 0.97 - 1.07 (m, 9 H) 0.84 - 0.97 (m, 9 H)。
【0087】
中間体15
【化43】

(6S,9S)-6-(2,3-ジフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-6,9-ジオール
250mL丸底フラスコ中で、(6R,9S)-6-(2,3-ジフルオロフェニル)-9-(トリイソプロピルシリルオキシ)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-6-オール(977mg、2.183mmol)をテトラヒドロフラン(10mL)中に溶解して、無色溶液を得た。TBAF(4.80mL、4.80mmol)を加え、そして該混合物を50℃で16時間終夜撹拌した。LCMSは、ある量のSMが残った、良好な変換を示した。更なる0.2当量のTBAFを加え、そして該反応を50℃で2時間続けた。テトラヒドロフランを除去し、そして該残渣を水および酢酸エチルの間で分配した。層分離し、そして該水層を酢酸エチルで抽出した。該有機層を合わせて食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、そして濃縮して黄褐色油状物を得た。最大10%メタノール/塩化メチレンのFCCによる精製により、白色固体の目的生成物(458mg、72%)を得た。MS(ESI)[M+H+] = 292.21; 1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 8.05 (d, J=3.78 Hz, 1 H) 7.37 (d, J=7.55 Hz, 1 H) 7.06 - 7.21 (m, 1 H) 6.81 - 7.05 (m, 3 H) 5.63 (br. s., 1 H) 4.82 - 4.97 (m, 1 H) 3.68 - 4.11 (m, 2 H) 3.00 (d, J=14.35 Hz, 1 H) 2.77 (t, J=10.58 Hz, 1 H) 2.13 (t, J=11.21 Hz, 1 H) 1.87 - 2.03 (m, 1 H) 1.69 - 1.86 (m, 1 H); 19F NMR (376 MHz, クロロホルム-d) δ ppm -137.37 (br. s., 1 F) -137.99 (d, J=15.52 Hz, 1 F)。
【0088】
中間体16
【化44】

(6S,9R)-6-(2,3-ジフルオロフェニル)-6-ヒドロキシ-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-9-イル 4-ニトロベンゾエート
250mL丸底フラスコ中で、(6S,9S)-6-(2,3-ジフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-6,9-ジオール(458mg、1.572mmol)(乾燥ベンゼンと共に共沸した)をテトラヒドロフラン(8mL)中に溶解して、明橙色溶液を得た。4−ニトロ安息香酸(394mg、2.358mmol)およびトリフェニルホスフィン(619mg、2.358mmol)を窒素下で加えた。アゾジカルボン酸ジイソプロピル(0.464mL、2.358mmol)を滴下した。該混合物を終夜撹拌した。15時間後に、LCMSは、完全な変換であるが、目的生成物は少量成分であることを示した。そのものを濃縮して明黄色油状物を得て、このものをFCC(5%酢酸エチル/ヘキサン〜100%)によって直接的に精製して、白色固体の目的生成物(125mg、18%)を得た。MS(ESI)[M+H+] = 441.20。
【0089】
中間体17
【化45】

(6S,9R)-6-(2,3-ジフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-6,9-ジオール
250mL丸底フラスコ中で、(6S,9R)-6-(2,3-ジフルオロフェニル)-6-ヒドロキシ-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-9-イル 4-ニトロベンゾエート(125mg、0.284mmol)をテトラヒドロフラン(2mL)中に溶解して、無色溶液を得た。水酸化リチウム(0.568mmol)を加え、そして該混合物を室温で2時間撹拌した。LCMSは、完全な変換を示した。酢酸エチルおよび水で希釈した。層分離し、そして該水層を酢酸エチルで抽出した。該有機層を合わせて食塩水で洗浄し、乾燥し、そして濃縮して白色固体を得た。最大6%メタノール/塩化メチレンのFCCによる精製により、白色結晶性固体の目的生成物(71mg、86%)を得た。少量の結晶を取り出し、そしてx−線構造を得て、シス−ジオール立体化学を確認した。MS(ESI)[M+H+] = 292.21; 1H NMR (500 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 8.44 (d, J=4.58 Hz, 1 H) 7.38 - 7.51 (m, 2 H) 7.19 (dd, J=7.48, 5.04 Hz, 1 H) 7.04 - 7.16 (m, 2 H) 5.99 (br. s., 1 H) 4.90 (dd, J=11.29, 2.14 Hz, 1 H) 3.80 - 3.91 (m, 1 H) 2.92 (dd, J=14.65, 2.14 Hz, 1 H) 2.57 - 2.70 (m, 1 H) 2.37 (br. s., 1 H) 2.11 (ddd, J=14.19, 5.95, 3.97 Hz, 1 H) 1.96 - 2.06 (m, 1 H) 1.74 - 1.91 (m, 1 H); 19F NMR (470 MHz, クロロホルム-d) δ ppm -138.91 - -138.74 (m, 1 F) -139.22 - -139.06 (m, 1 F); 13C NMR (126 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 160.64 (s, 1 C) 152.00 - 150.10 (dd, J=21.42 および 254.52 Hz,1 C) 148.75 - 146.71 (dd, J=11.52 および 244.44 Hz, 1 C) 145.55 (s, 3 C) 139.91 (s, 3 C) 138.44 (d, J=8.64 Hz, 1 C) 129.37 (s, 1 C) 123.89 - 124.57 (m, 2 C) 122.48 (s, 3 C) 120.84 (s, 1 C) 116.22 (d, J=17.28 Hz, 2 C) 71.79 (m, 3 C) 71.70 (m, 4 C) 44.30 (d, J=4.80 Hz, 2 C) 39.65 (s, 1 C) 31.29 (s, 2 C)。
【0090】
実施例9
【化46】

(6S,9R)-6-(2,3-ジフルオロフェニル)-6-ヒドロキシ-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-9-イル 4-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート
オーブン乾燥した100mL丸底フラスコ中で、(6S,9R)-6-(2,3-ジフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-6,9-ジオール(71mg、0.244mmol)(乾燥ベンゼンと共に共沸した)および4-ニトロフェニル 4-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(121mg、0.317mmol)をジメチルホルムアミド(2mL)中に溶解して、窒素下、明黄色懸濁液を得た。NaHMDS(0.926mL、0.926mmol)を滴下した。得られた黄色懸濁液を窒素下、室温で3.5時間撹拌した。LCMSは、完全な変換を示した。該反応液を飽和炭酸水素ナトリウムでクエンチし、そして酢酸エチルで希釈した。層分離し、そして該水層を酢酸エチルで抽出した(LCMSは、水層中に生成物が全く残っていないことを示した)。該有機層を合わせて水、食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、そして濃縮して黄色油状物を得た。最大10%メタノール/塩化メチレンのFCCにょる精製により、白色粉末の目的生成物(131mg、100%)を得た。LCMSおよびHPLCは、>98%純度を示した。MS(ESI)[M+H+] = 536.26; 1H NMR (500 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 11.31 (br. s., 1 H) 8.35 - 8.50 (m, 1 H) 7.97 - 8.11 (m, 1 H) 7.31 - 7.60 (m, 3 H) 7.02 - 7.18 (m, 3 H) 6.98 (dd, J=7.48, 5.34 Hz, 1 H) 6.03 (d, J=10.68 Hz, 1 H) 4.60 (br. s., 2 H) 4.40 (br. s., 1 H) 3.97 (d, J=14.34 Hz, 1 H) 2.80 - 3.20 (m, 4 H) 2.67 (t, J=11.75 Hz, 2 H) 2.17 - 2.40 (m, 2 H) 2.08 (t, J=12.67 Hz, 2 H) 1.89 (d, J=11.29 Hz, 2 H); 19F NMR (470 MHz, クロロホルム-d) δ ppm -138.72 (d, J=15.15 Hz, 2 F)。
【0091】
中間体18
【化47】

(5S,6S,9R)-6-(3,5-ジフルオロフェニル)-9-(トリイソプロピルシリルオキシ)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-5-オール
1.2−メチルプロパン−2−オレートナトリウム(0.827g、8.61mmol)、ジアセトキシパラジウム(0.057g、0.255mmol)、ジシクロヘキシル(2'-メチルビフェニル-2-イル)ホスフィン(0.093g、0.255mmol)、(R)-9-(トリイソプロピルシリルオキシ)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-5-オン(2.1264g、6.38mmol)および1-ブロモ-3.5-ジフルオロベンゼン(0.881mL、7.65mmol)の混合物をトルエン(24mL、使用前に脱気した)中、窒素下、80℃で18時間加熱した。該溶媒を真空によってほとんど除去し、そして該反応液を酢酸エチルで希釈した。該酢酸エチル層を乾燥(硫酸ナトリウム)前に3回水洗し、ろ過し、そして濃縮した。酢酸エチル/ヘキサン(0〜35%〜50%)を用いるフラッシュクロマトグラフィーにより、目的のアリル化生成物(51%)を得た。HPLC tR=3.55分, MS(ESI)[M+H+]=446.26; 1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 8.64 (dd, J=4.91, 1.64 Hz, 1 H) 7.89 - 7.95 (m, 1 H) 7.37 - 7.43 (m, 1 H) 6.65 - 6.75 (m, 3 H) 5.29 - 5.35 (m, 1 H) 4.40 - 4.46 (m, 1 H) 2.30 - 2.37 (m, 2 H) 2.04 - 2.16 (m, 2 H) 1.02 - 1.11 (m, 3 H) 0.95 - 1.02 (m, 9 H) 0.93 (d, J=7.30 Hz, 9 H); 19F NMR (376 MHz, クロロホルム-d) δ ppm -109.94 - -109.73 (s), 111.37 (s)。
【0092】
2.水素化ホウ素リチウム(0.283g、13.01mmol)を、(6S,9R)-6-(3,5-ジフルオロフェニル)-9-(トリイソプロピルシリルオキシ)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-5-オン(1.4496g、3.25mmol)のシクロペンチルメチルエーテル(15mL)溶液に窒素下、0℃で加えた。該反応液を0℃で、次いで室温で6時間撹拌した。該反応液を、メタノールを加えることによってクエンチし、そして0.5時間撹拌を続けた。溶媒を真空下で除去し、そして該粗残渣を酢酸エチル中に溶かし、このものを3回水洗した。0〜10%の酢酸エチル/ヘキサンを用いるフラッシュクロマトグラフィーにより、目的生成物(56%)を得た。HPLC tR=3.05分, MS(ESI)[M+H+]=448.26; 1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 8.44 (dd, J=4.91, 1.64 Hz, 1 H) 7.46 (dd, J=7.55, 1.51 Hz, 1 H) 7.15 (dd, J=7.55, 5.04 Hz, 1 H) 6.50 - 6.61 (m, 1 H) 6.41 (dd, J=8.94, 1.89 Hz, 2 H) 5.69 - 5.83 (m, 1 H) 5.21 - 5.30 (m, 1 H) 4.62 - 4.80 (m, 1 H) 3.46 - 3.64 (m, 1 H) 2.84 - 3.09 (m, 1 H) 2.06 - 2.24 (m, 2 H) 1.79 - 1.97 (m, 1 H) 1.12 - 1.34 (m, 3 H) 1.04 - 1.10 (m, 9 H) 1.01 (d, J=7.30 Hz, 9 H); 19F NMR (376 MHz, クロロホルム-d) δ ppm -109.90 (t, J=8.62 Hz, 2 F)。
【0093】
実施例10
【化48】

(5S,6S,9R)-5-アミノ-6-(3,5-ジフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-9-イル 4-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート
1.オーブン乾燥した100mL丸底フラスコ中で、NCS(324mg、2.42mmol)をテトラヒドロフラン(4mL)中に懸濁した。トリフェニルホスフィン(636mg、2.423mmol)を1回で加えた。窒素下5分間撹拌後に、1mLのテトラヒドロフラン(1mLすすぎ液)中の(5S,6S,9R)-6-(3,5-ジフルオロフェニル)-9-(トリイソプロピルシリルオキシ)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-5-オール(493mg、1.101mmol)を、該灰色懸濁液にカニューレによって加えた。得られた灰色がかった懸濁液を室温で撹拌した。5時間後に、LCMSは、ほとんど変換していないことを示した。該反応を40℃で16時間終夜続けた。LCMSは、完全な変換を示した。該反応液を炭酸水素ナトリウム溶液でクエンチし、そして酢酸エチルで希釈した。層分離した。該有機層を食塩水で洗浄し、乾燥し、そして濃縮して暗色油状物を得た。最大20%の酢酸エチル/ヘキサンのFCCによる精製により、無色油状物の目的生成物(386mg、75%、近接する移動性ピークが混入した)を得て、このものを次の工程に直接的に使用した。主要ピーク(tR = 3.39分)は脱離生成物(MS(ESI)[M+H+]=430.30)であり、一方で少量ピーク(tR = 3.29分)はクロリド体(MS(ESI)[M+H+]=466.22)であった。
【0094】
2.100mL丸底フラスコ中で、(5R,6S,9R)-5-クロロ-6-(3,5-ジフルオロフェニル)-9-(トリイソプロピルシリルオキシ)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン(386mg、0.828mmol)をジメチルホルムアミド(4mL)中に溶解して、無色溶液を得た。アジドナトリウム(323mg、4.97mmol)を加え、そして該混合物を50℃で窒素下、20時間撹拌した。TLC(4/1 ヘキサン/酢酸エチル)は、2個の近接ピーク(極性が低い主要成分は出発物質由来の脱離生成物であり、そして極性が高い少量成分はアジド生成物であった)を示した。水および酢酸エチルで希釈した。層分離した。該有機層を食塩水で洗浄し、乾燥し、そして濃縮して無色油状物を得た。最大20%の酢酸エチル/ヘキサンのFCCによる精製により、無色油状物の目的生成物(第2の少量ピーク)(70mg、18%、2工程で13%)を得た。MS(ESI)[M+H+]=473.27; 1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 8.59 (dd, J=4.91, 1.64 Hz, 1 H) 7.64 - 7.72 (m, 1 H) 7.26 - 7.36 (m, 1 H) 6.64 - 6.82 (m, 3 H) 5.27 (t, J=4.41 Hz, 1 H) 4.71 (d, J=8.31 Hz, 1 H) 3.57 - 3.71 (m, 1 H) 2.10 (d, J=4.53 Hz, 3 H) 1.72 - 1.87 (m, 1 H) 1.14 - 1.27 (m, 3 H) 0.99 - 1.12 (m, 18 H); 19F NMR (376 MHz, クロロホルム-d) δ ppm -109.44 - -109.27 (m, 2 F)。
【0095】
3.100mL丸底フラスコ中で、(5S,6S,9R)-5-アジド-6-(3,5-ジフルオロフェニル)-9-(トリイソプロピルシリルオキシ)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン(70mg、0.148mmol)をテトラヒドロフラン(4mL)中に溶解して、無色溶液を得た。TBAF(0.178mL、0.178mmol)を加え、そして得られた無色溶液を室温で1時間撹拌した。LCMSは、完全な変換を示した。テトラヒドロフランを真空下で除去し、そして該残渣を水および酢酸エチルで希釈した。層分離した。該有機層を食塩水で洗浄し、乾燥し、そして濃縮して無色油状物を得た。最大60%の酢酸エチル/ヘキサンのFCCによる精製により、無色油状物の目的生成物(46.2mg、99%)を得た。MS(ESI)[M+H+]=317.22; 1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 8.52 (d, J=3.78 Hz, 1 H) 7.99 (d, J=7.81 Hz, 1 H) 7.36 (dd, J=7.81, 4.78 Hz, 1 H) 6.69 - 6.88 (m, 3 H) 5.45 - 6.32 (m, 1 H) 4.91 (dd, J=10.95, 2.39 Hz, 1 H) 4.84 (d, J=10.32 Hz, 1 H) 2.66 (td, J=10.70, 3.53 Hz, 1 H) 2.07 - 2.38 (m, 3 H) 1.41 - 1.59 (m, 1 H); 19F NMR (376 MHz, クロロホルム-d) δ ppm -109.08 (t, J=8.62 Hz, 2 F); 13C NMR (101 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 163.16 (dd, J=248.93, 13.10 Hz, 1 C) 158.31 (s, 1 C) 146.84 (t, J=8.48 Hz, 1 C) 146.24 (s, 2 C) 133.88 (s, 2 C) 132.76 (s, 1 C) 122.92 (s, 2 C) 110.30 - 111.00 (m, 2 C) 102.68 (t, J=25.43 Hz, 2 C) 70.96 (s, 2 C) 66.28 (s, 2 C) 50.08 (s, 1 C) 35.24 (s, 2 C) 34.74 (s, 2 C)。
【0096】
4.100mL丸底フラスコ中で、(5S,6S,9R)-5-アジド-6-(3,5-ジフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-9-オール(46mg、0.145mmol)(乾燥ベンゼンと共に共沸した)および4-ニトロフェニル 4-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(66.9mg、0.175mmol)を窒素下、ジメチルホルムアミド(1mL)中に懸濁した。−15℃(氷−メタノール浴)まで冷却後に、NaHMDS(0.393mL、0.393mmol)を滴下した。得られた黄褐色溶液を窒素下、−10℃〜0℃で2時間および室温で2時間撹拌した。LCMSは、良好な変換を示した。該反応液を炭酸水素ナトリウム溶液でクエンチした。該混合物を酢酸エチルで希釈した。層分離し、そして該水層を酢酸エチルで抽出した。該有機層を合わせて水、食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、そして黄褐色油状物を得た。最大8%のメタノール/塩化メチレンのFCCによる精製により、白色固体の目的生成物(62mg、76%)を得た。MS(ESI)[M+H+]=561.20; 1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 11.07 (br. s., 1 H) 8.59 (d, J=3.78 Hz, 1 H) 8.11 (d, J=4.28 Hz, 1 H) 7.88 (d, J=6.55 Hz, 1 H) 7.24 - 7.54 (m, 2 H) 7.01 (dd, J=7.55, 5.29 Hz, 1 H) 6.65 - 6.92 (m, 3 H) 6.12 (d, J=7.81 Hz, 1 H) 5.11 (d, J=9.57 Hz, 1 H) 4.28 - 4.85 (m, 3 H) 2.51 - 3.34 (m, 4 H) 2.22 - 2.43 (m, 2 H) 2.02 - 2.24 (m, 2 H) 1.77 - 2.01 (m, 3 H); 19F NMR (376 MHz, クロロホルム-d) δ ppm -108.89 (t, J = 9.4 Hz, 2 F)。
【0097】
5.100mLの丸底フラスコ中で、(5S,6S,9R)-5-アジド-6-(3,5-ジフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-9-イル 4-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(62mg、0.11mmol)をテトラヒドロフラン(1mL)中に溶解して、無色溶液を得た。トリメチルホスフィン(0.332mL、0.332mmol)を加えた。該混合物を室温で撹拌した。2時間後に、水(7.97μL、0.442mmol)を加え、そして該混合物を室温で終夜撹拌した。LCMSは、目的生成物への完全な変換を示した。揮発成分を真空下で除去し、そして該残渣を最大10%メタノール/塩化メチレンのFCCによって直接的に精製して、白色固体の生成物を得て、このものを更に真空下で3日間かけて乾燥した(56mg、90%)。MS(ESI)[M+H+]=535.23; 1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 11.45 (br. s., 1 H) 8.45 (d, J=3.78 Hz, 1 H) 8.00 (d, J=4.53 Hz, 2 H) 7.16 - 7.48 (m, 2 H) 6.92 (dd, J=7.81, 5.29 Hz, 1 H) 6.82 (d, J=6.04 Hz, 2 H) 6.69 (tt, J=8.81, 2.27 Hz, 1 H) 6.07 (dd, J=10.07, 3.27 Hz, 1 H) 4.22 - 4.77 (m, 4 H) 3.01 (br. s., 2 H) 2.58 (d, J=2.52 Hz, 2 H) 2.13 - 2.39 (m, 3 H) 1.98 - 2.11 (m, 1 H) 1.69 - 1.97 (m, 5 H); 19F NMR (376 MHz, クロロホルム-d) δ ppm -108.85 (br. s., 2 F)。
【0098】
実施例11
【化49】

(5S,6S,9R)-6-(3,5-ジフルオロフェニル)-5-ヒドロキシ-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-9-イル 4-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート
1.(5S,6S,9R)-6-(3,5-ジフルオロフェニル)-9-(トリイソプロピルシリルオキシ)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-5-オール(0.492g、1.099mmol)の塩化メチレン(10mL)溶液に窒素下、無水酢酸(0.207mL、2.198mmol)、トリエチルアミン(0.460mL、3.30mmol)およびDMAP(0.027g、0.220mmol)を室温で加えた。該反応液を2時間撹拌した。該反応液を塩化メチレンで希釈し、そして炭酸ナトリウム(飽和)で洗浄した。該塩化メチレン層を分離し、乾燥し(硫酸ナトリウム)、ろ過し、そして濃縮して明黄色油状物(0.538g、100%)の粗生成物を得た。HPLC tR=3.19 min, MS(ESI)[M+H+]=490.26; 1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 8.56 (dd, J=4.78, 1.51 Hz, 1 H) 7.72 (dd, J=7.81, 1.26 Hz, 1 H) 7.23 (dd, J=7.81, 4.78 Hz, 1 H) 6.62 - 6.76 (m, 3 H) 6.19 (d, J=9.07 Hz, 1 H) 5.23 - 5.30 (m, 1 H) 3.48 - 3.57 (m, 1 H) 3.15 - 3.18 (m, 1 H) 2.08 - 2.20 (m, 2 H) 1.92 - 1.98 (m, 1 H) 1.17 - 1.25 (m, 3 H) 1.07 - 1.14 (m, 9 H) 1.04 (d, J=7.30 Hz, 9 H); 19F NMR (376 MHz, クロロホルム-d) δ ppm -109.71 (t, J=8.62 Hz, 2 F)。
【0099】
2.TBAF(1.319mL、1.319mmol)を、(5S,6S,9R)-6-(3,5-ジフルオロフェニル)-9-(トリイソプロピルシリルオキシ)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-5-イルアセテート(0.538g、1.099mmol)のテトラヒドロフラン(6mL)溶液に室温で窒素下、加えた。該反応液を1時間撹拌した。LCMSは、完全な変換を示した。該溶媒を真空で除去し、そして該粗混合物を酢酸エチルおよび食塩水の間で分配した。該酢酸エチル層を分離し、乾燥し(硫酸ナトリウム)、ろ過し、そして濃縮した。0〜50%の酢酸エチル/ヘキサンを用いるフラッシュクロマトグラフィー精製により、目的生成物(0.2786g、75%)(50%酢酸エチル/ヘキサンにて、Rf 約0.86)。HPLC tR=1.88分, MS(ESI)[M+H+]=334.21; 1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 8.38 - 8.49 (m, 1 H) 7.67 (d, J=7.81 Hz, 1 H) 7.26 (dd, J=7.81, 4.78 Hz, 1 H) 6.60 - 6.78 (m, 3 H) 6.17 (d, J=10.58 Hz, 1 H) 5.92 (d, J=3.78 Hz, 1 H) 4.89 (m, 1 H) 2.80 (m, 1 H) 2.28 -2.13 (m, 3 H) 1.80 (s, 3 H) 1.47 (m, 1H); 19F NMR (376 MHz, クロロホルム-d) δ ppm -109.62 (s, 2 F); 13C NMR (101 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 168.94 (s, 1 C) 162.82 (dd, J=248.16,13.10 Hz,1 C) 157.96 (s, 1 C) 146.98 (t, J=8.86 Hz, 1 C) 146.02 (s, 1 C) 133.16 (s, 1 C) 132.08 (s, 1 C) 122.64 (s, 1 C) 110.44 (d, J=25.43Hz,1 C) 102.14 (t, J=24.66 Hz,1 C) 72.81 (s, 1 C) 71.11 (s, 1 C) 49.61 (s, 1 C) 35.39 (s, 1 C) 33.94 (s, 1 C) 20.27 (s, 1 C)。
【0100】
3.NaHMDS(1.839mL、1.839mmol)を、(5S,6S,9R)-6-(3,5-ジフルオロフェニル)-9-ヒドロキシ-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-5-イル アセテート(0.2786g、0.836mmol)および4-ニトロフェニル 4-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(0.3337g、0.870mmol)のジメチルホルムアミド(4mL)溶液に窒素下、−20℃で加えた。該反応液を−20℃で3時間撹拌し、次いで4-ニトロフェニル 4-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(0.1当量)およびNaHMDS(0.15mL)で処理した。該反応液を更に1時間撹拌し、その間−10℃まで昇温させた。LCMSは、目的生成物並びに加水分解されたアルコール(アセチル基の喪失)を示した。該反応液を水でクエンチし、続いて酢酸エチルを加えた。該酢酸エチル層を分離前に3回水洗し、乾燥(硫酸ナトリウム)し、ろ過し、そして濃縮して、粗生成物を得た。HPLC tR=2.58分, MS(ESI)[M+H+]=578.26。炭酸カリウム(785mg、5.68mmol)を、(5S,6S,9R)-5-アセトキシ-6-(3,5-ジフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-9-イル 4-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(328mg、0.568mmol)のメタノール(5mL)溶液に室温で加えた。該反応液を、溶媒の除去前に室温で1時間撹拌した。該粗物質を、酢酸エチルおよび水の間で分配した。該酢酸エチル層を分離し、そして再び水洗し、その後乾燥(硫酸ナトリウム)し、ろ過し、そして濃縮した。0〜10%のメタノール/塩化メチレンを用いるフラッシュクロマトグラフィー精製により、目的生成物(135.3mg、42%)を得た。HPLC tR=2.17 min, MS(ESI)[M+H+]=536.26; 1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 10.61 (br. s., 1 H) 8.52 (d, J=3.78 Hz, 1 H) 7.97 - 8.14 (m, 2 H) 7.23 - 7.58 (m, 2 H) 7.02 (dd, J=7.81, 5.29 Hz, 1 H) 6.80 - 6.90 (m, 2 H) 6.75 (tt, J=8.84, 2.23 Hz, 1 H) 5.94 (br. s., 1 H) 5.15 (d, J=9.57 Hz, 1 H) 4.31 - 4.79 (m, 3 H) 2.87 - 3.26 (m, 2 H) 2.68 - 2.80 (m, 1 H) 2.03 - 2.55 (m, 5 H) 1.76 - 2.00 (m, 3 H); 19F NMR (376 MHz, クロロホルム-d) δ ppm -108.58 (br. s., 2 F)。
【0101】
中間体19
【化50】

(R,Z)-6-(2,3-ジフルオロフェニル)-6,7-ジヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン
オーブン乾燥した250mL丸底フラスコ中で、 (6R,9R)-6-(2,3-ジフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-9-オール(1.93g、7.01mmol)および(メトキシカルボニルスルファモイル)トリエチルアンモニウムヒドロキシド内部塩(2.005g、8.41mmol)をベンゼン(60mL)中に混合して、懸濁液を得た。それを、窒素下、1時間撹拌しながら85℃で加熱した(色は深赤色に直ぐに変化した)。LCMSは、目的のMWを示した。TLC(1/1 酢酸エチル/ヘキサン)は、微量の残存SMおよび主要な極性が高い成分のみを示した。ベンゼンを真空下で除去し、そして該残渣を酢酸エチルおよび水の間で分配した。層分離し、そして該水層を酢酸エチルで抽出した。該有機層を合わせて食塩水で洗浄し、乾燥し、そして濃縮して黄褐色油状物を得た。最大80%の酢酸エチル/ヘキサンのFCCによる精製により、明黄褐色油状物の目的生成物(0.81g、45%)を得た。MS(ESI)[M+H+]=258.16; 1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 8.45 (dd, J=4.78, 1.51 Hz, 1 H) 7.35 (d, J=7.55 Hz, 1 H) 6.92 - 7.09 (m, 4 H) 6.77 (dt, J=12.53, 1.92 Hz, 1 H) 6.20 (dt, J=12.59, 4.53 Hz, 1 H) 3.43 - 3.58 (m, 1 H) 3.22 (dd, J=14.10, 9.57 Hz, 1 H) 2.96 (d, J=14.35 Hz, 1 H) 2.69 (td, J=5.29, 2.01 Hz, 2 H); 13C NMR (101 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 154.90 (s, 1 C) 151.94 - 149.34 (dd, J=13.10 および 249.47 Hz, 1 C) 149.43 - 146.86 (dd, J=12.33 および 247.45 Hz, 1 C) 147.31 (s, 2 C) 136.93 (s, 2 C) 135.63 (d, J=11.56 Hz, 1 C) 134.74 (s, 1 C) 133.74 (s, 2 C) 131.83 (s, 2 C) 123.95 - 124.47 (m, 2 C) 122.61 (t, J=3.47 Hz, 2 C) 121.44 (s, 2 C) 115.15 (d, J=16.96 Hz, 2 C) 40.28 (s, 2 C) 38.53 (s, 2 C) 37.70 (s, 1 C); 19F NMR (376 MHz, クロロホルム-d) δ ppm -138.33 - -137.90 (m, 1 F) -144.07 - -143.71 (m, 1 F)。
【0102】
中間体20
【化51】

(6S,8R,9S)-6-(2,3-ジフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-8,9-ジオール
50mL丸底フラスコ内で、(R,Z)-6-(2,3-ジフルオロフェニル)-6,7-ジヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン(110mg、0.428mmol)およびNMO(110mg、0.941mmol)をアセトン(2mL)および水(0.04mL)中に溶解して、黄褐色溶液を得た。四酸化オスミウム(0.021mL、1.710μmmol)(2−メチル―2−プロパノール中の2.5wt−%溶液)を加えた(該黄褐色は直ぐに非常に明るい黄色に変化した)。該混合物を室温で撹拌した。1時間:<5%変換。0.021mL OsOを加えた。22時間:1/3変換。更なる0.021mL OsO溶液を加えた。28時間(総計50時間)。亜硫酸ナトリウム(1.2g)を加えて、そして撹拌を30分間続けた。アセトンを真空下で除去し、そして該残渣を酢酸エチルで3回抽出した。該有機層を合わせて、食塩水で洗浄し、乾燥し、そして濃縮してオフホワイト色固体を得た。最大10%メタノール/塩化メチレンのFCC(数滴のメタンールが、塩化メチレン中で該固体を完全に溶解するのに役立った)により、2つの白色固体の生成物を得た:極性が低いおそらく目的のトランス生成物(61mg、49%)および極性が高いシス生成物(47.1mg、38%)。MS(ESI)[M+H+]=258.16; 1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 8.46 (d, J=5.04 Hz, 1 H) 7.50 (dd, J=7.55, 1.26 Hz, 1 H) 7.22 (dd, J=7.43, 4.91 Hz, 1 H) 7.01 - 7.10 (m, 3 H) 5.04 (s, 1 H) 4.43 (br. s., 1 H) 3.35 (dd, J=11.33, 3.53 Hz, 1 H) 3.24 (t, J=12.97 Hz, 1 H) 2.86 (d, J=14.35 Hz, 1 H) 2.30 - 2.44 (m, 2 H); 19F NMR (376 MHz, クロロホルム-d) δ ppm -138.07 - -137.86 (m, 1 F) -142.98 - -142.63 (m, 1 F)。
【0103】
実施例12
【化52】

(6S,8R,9S)-6-(2,3-ジフルオロフェニル)-8-ヒドロキシ-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-9-イル 4-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート
オーブン乾燥した100mL丸底フラスコ内で、(6S,8R,9S)-6-(2,3-ジフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-8,9-ジオール(61mg、0.209mmol)(乾燥ベンゼンと共に共沸した)および1-(1-(1H-イミダゾール-1-カルボニル)ピペリジン-4-イル)-1H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-2(3H)-オン(65.4mg、0.209mmol)をテトラヒドロフラン(2mL)中に溶解して、窒素下、無色溶液を得た。0℃(氷浴)まで冷却後に、カリウムt−ブトキシド(1M テトラヒドロフラン溶液、0.754mL、0.754mmol)を滴下し、そして該黄褐色懸濁液を撹拌しながら室温まで昇温させた。2時間後に、少量のSMが残存した。更に20mgの1-(1-(1H-イミダゾール-1-カルボニル)ピペリジン-4-イル)-1H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-2(3H)-オンを加え、そして該混合物を終夜撹拌しながら放置した。18時間後に、該反応液を炭酸水素ナトリウム溶液でクエンチし、そして酢酸エチルで抽出した。層分離し、そして該水層を酢酸エチルで2回抽出した。該有機層を合わせて食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、そして濃縮して黄色油状物を得た。最大10%メタノール/塩化メチレンのFCCによる精製により、明黄色発泡体の目的生成物(最後のピーク、16mg、14%)を得た。MS(ESI)[M+H+]=536.26; 1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 8.27 - 8.59 (m, 1 H) 8.08 (dd, J=5.29, 1.26 Hz, 1 H) 7.54 (d, J=2.52 Hz, 1 H) 7.31 - 7.51 (m, 1 H) 7.22 (dd, J=7.30, 5.04 Hz, 1 H) 6.93 - 7.19 (m, 4 H) 5.39 - 5.63 (m, 1 H) 5.18 (br. s., 1 H) 4.45 - 4.64 (m, 1 H) 4.37 (br. s., 1 H) 3.10 - 3.40 (m, 3 H) 2.92 (d, J=13.85 Hz, 1 H) 2.11 - 2.88 (m, 5 H) 1.75 - 1.95 (m, 2 H) 1.55 - 1.71 (m, 1 H)。
【0104】
実施例13、14
【化53】

(5S,6S,9R)-6-(2,3-ジフルオロフェニル)-5-(メチルアミノ)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-9-イル 4-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(実施例13)および(5S,6S,9R)-6-(2,3-ジフルオロフェニル)-5-(ジメチルアミノ)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-9-イル 4-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(実施例14)
5mL丸底フラスコ内で、(5S,6S,9R)-5-アミノ-6-(2,3-ジフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-9-イル 4-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(35.8mg、0.067mmol)(実施例8)をメタノール(0.5mL)中に溶解して、無色溶液を得た。ホルムアルデヒド(0.025mL、0.335mmol)(36.5%溶液)およびシアノ水素化ホウ素ナトリウム(25.3g、0.402mmol)を加え、そして該混合物を室温で終夜撹拌した。18時間後に、LCMSは、2つの生成物への完全な変換を示した。該混合物を酢酸エチルおよび飽和炭酸水素ナトリウム溶液の間で分配した。層分離し、そして該水層を酢酸エチルで抽出した。該有機層を合わせて食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、そして濃縮して濃厚な油状物/発泡体を得た。最大10%のメタノール/塩化メチレンのFCCにより、分離は得られなかった。該生成物を、プレパーHPLC(メタノール/水中の酢酸アンモニウム)によって分離して、実施例13(14mg、34%)および実施例14(25.5mg、66%)(共に無色の固体/発泡体)を得た。
実施例13: MS(ESI)[M+H+] = 549.2; 1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 10.33 (br. s., 1 H) 8.47 - 8.63 (m, 1 H) 8.09 (d, J=4.78 Hz, 2 H) 7.49 (br. s., 2 H) 7.07 - 7.19 (m, 3 H) 7.03 (dd, J=7.81, 5.29 Hz, 1 H) 6.23 (d, J=1.01 Hz, 1 H) 4.38 - 4.77 (m, 3 H) 4.27 (br. s., 1 H) 3.01 (br. s., 3 H) 2.55 - 2.84 (m, 1 H) 2.20 - 2.45 (m, 6 H) 1.74 - 2.01 (m, 5 H); 19F NMR (376 MHz, クロロホルム-d) δ ppm -137.02 - -136.44 (m, 1 F) -142.71 - -141.48 (m, 1 F)。
実施例14:MS(ESI)[M+H+] = 563.3; 1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 10.87 (br. s., 1 H) 8.58 (d, J=4.28 Hz, 1 H) 8.03 - 8.14 (m, 1 H) 7.64 - 7.95 (m, 1 H) 7.37 - 7.52 (m, 1 H) 7.28 (s, 1 H) 6.93 - 7.19 (m, 4 H) 6.26 (br. s., 1 H) 4.60 (br. s., 3 H) 3.61 - 4.04 (m, 2 H) 2.86 - 3.23 (m, 2 H) 2.13 - 2.67 (m, 10 H) 1.92 (d, J=14.86 Hz, 2 H) 1.59 (br. s., 2 H); 19F NMR (376 MHz, クロロホルム-d) δ ppm -137.79 - -137.11 (m, 1 F) -143.70 - -143.05 (m, 1 F)。
【0105】
実施例15、16
【化54】

(6S,9R,Z)-6-(2,3-ジフルオロフェニル)-5-(ヒドロキシイミノ)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-9-イル 4-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(実施例15)および(6S,9R,E)-6-(2,3-ジフルオロフェニル)-5-(ヒドロキシイミノ)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-9-イル 4-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(実施例16)
250mL丸底フラスコ内で、(9R)-6-(2,3-ジフルオロフェニル)-5-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-9-イル 4-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(217mg、0.407mmol)(実施例2)をエタノール(8mL)中に溶解して、無色溶液を得た。ヒドロキシルアミン塩酸塩(283mg、4.07mmol)およびヒューニッヒ塩(0.852mL、4.88mmol)を加えた。該混合物を窒素下、80℃で4日間撹拌した。エタノールを蒸発させ、そして濃厚なわずかに黄褐色油状物が残存した。LCMSは目的生成物を示し、そしてTLC(10%メタノール/塩化メチレン)はある程度の変換を示した。残渣を水および酢酸エチルの間で分配した。層分離し、そして該水層を酢酸エチルで抽出した。該有機層を合わせて食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、そして濃縮して無色発泡体を得た。FCCおよびプレパ−HPLCによる注意深い精製により、示した実施例15および16を得た。MS(ESI)[M+H+] = 549.07。
【0106】
中間体21
【化55】

(5S,6S,9R)-6-(2,3-ジフルオロフェニル)-9-(トリイソプロピルシリルオキシ)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-5-アミン
エタノール(25mL)中の(5S,6S,9R)-5-アジド-6-(2,3-ジフルオロフェニル)-9-(トリイソプロピルシリルオキシ)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン(598mg、1.265mmol)(中間体9)およびパラジウム(活性炭素上、10%)(0.504mg、0.474mmol)の混合物を水素下(1気圧)下、2.5時間撹拌した。LCMSは、目的化合物が生成したことを示し、撹拌を続けた。5時間後に、該混合物をろ過し、エタノールで十分に洗浄し、次いで濃縮して無色油状物の21(525mg、93%)を得た。MS(ESI)[M+H+] = 447.3。
【0107】
中間体22
【化56】

tert-ブチル (5S,6S,9R)-6-(2,3-ジフルオロフェニル)-9-(トリイソプロピルシリルオキシ)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-5-イルカルバメート
テトラヒドロフラン(10mL)中の (5S,6S,9R)-6-(2,3-ジフルオロフェニル)-9-(トリイソプロピルシリルオキシ)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-5-アミン(680mg、1.478mmol)および二炭酸ジ−t−ブチル(410mg、1.879mmol)の混合物を室温で終夜撹拌した。プロピルアミンを加え、そして揮発性成分を真空下で除去した。該残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製して、無色粘着性シロップの目的生成物(604mg、75%)を得た。MS(ESI)[M+H+] = 547.4。
【0108】
中間体23
【化57】

tert-ブチル (5S,6S,9R)-6-(2,3-ジフルオロフェニル)-9-ヒドロキシ-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-5-イルカルバメート
(5S,6S,9R)-6-(2,3-ジフルオロフェニル)-9-(トリイソプロピルシリルオキシ)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-5-イルカルバメート(600mg、1.097mmol)のテトラヒドロフラン(15mL)溶液に、N-ブチル-N,N-ジプロピルブタン-1-アミニウムフルオリド(1.207mL、1.2067mmol)を室温で加えた。1時間後に、LCMSは該反応が完結したことを示した。炭酸水素ナトリウム水溶液(5mL)を加えた。該溶媒を真空下で除去し、そして該混合物を酢酸エチルで抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥し、そして濃縮して無色固体を得て、このものをフラッシュクロマトグラフィーで精製して、目的生成物(371mg、87%)を得た。MS(ESI)[M+H+] = 547.4。
【0109】
中間体24
【化58】

5-イソシアネート-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,3'-ピロロ[2,3-b]ピリジン]-2'(1'H)-オン
塩化メチレン(1.5mL)中のホスゲン(0.150mL、0.300mmol)の溶液に、塩化メチレン(2.00mL)中の5-アミノ-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,3'-ピロロ[2,3-b]ピリジン]-2'(1'H)-オン(0.025g、0.1mmol)を0℃で加えた。撹拌を室温で続けた。1時間撹拌後に、LCMSはSMが消費され、目的化合物((MS(ESI)[M+HOMe+] = 310.2)が生成したことを示した。窒素ガスを該混合物中にバブルして、過剰のホスゲンを除去した。該乾燥残渣を塩化メチレンとともに1回共沸し、高真空下で1.5時間乾燥した。該残渣を次の工程に直接的に使用した。
【0110】
中間体25
【化59】

(5S,6S,9R)-6-(2,3-ジフルオロフェニル)-5-(tert-ブチルカルバモイル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-9-イル 2'-オキソ-1,1',2',3-テトラヒドロスピロ[インデン-2,3'-ピロロ[2,3-b]ピリジン]-5-イルカルバメート
塩化メチレン(2.00mL)中の5-イソシアネート-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,3'-ピロロ[2,3-b]ピリジン]-2'(1'H)-オン(27.5mg、0.099mmol)溶液に、塩化メチレン(2.00mL)中のtert-ブチル (5S,6S,9R)-6-(2,3-ジフルオロフェニル)-9-ヒドロキシ-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-5-イルカルバメート(35.1mg、0.09mmol)およびヒューニッヒ塩基(0.031mL、0.180mmol)を0℃で加えた。撹拌を室温で終夜続けた。該混合物をプレパHPLC(30〜100%メタノール/水の勾配)で精製して、白色アモルファス固体の目的生成物(28mg、46.6%)を得た。
【数1】

【0111】
実施例17
【化60】

(5S,6S,9R)-5-アミノ-6-(2,3-ジフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-9-イル 2'-オキソ-1,1',2',3-テトラヒドロスピロ[インデン-2,3'-ピロロ[2,3-b]ピリジン]-5-イルカルバメート(実施例17)
塩化メチレン(1.0mL)中の(5S,6S,9R)-6-(2,3-ジフルオロフェニル)-5-(tert-ブチルカルバモイル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-9-イル 2'-オキソ-1,1',2',3-テトラヒドロスピロ[インデン-2,3'-ピロロ[2,3-b]ピリジン]-5-イルカルバメート(28mg、0.042mmol)溶液に、2,2,2-トリフルオロ酢酸(1mL、12.98mmol)を0℃で加えた。撹拌を室温で10分間続けた。LCMSは、該Boc基が除去されたことを示した。撹拌を50分間続けた。該反応混合物をトルエンと共に共沸させた。該残渣をプレパHPLC(25〜100重量%のメタノール勾配(0.1%TFA))で精製して、白色アモルファス固体の目的生成物(19.5mg、51%、分析用HPLCにより99%純度)を得た。
【数2】

【0112】
中間体27
【化61】

tert-ブチル (5S,6S,9S)-6-(2,3-ジフルオロフェニル)-9-ヒドロキシ-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-5-イルカルバメート
DIAD(0.356mL、1.833mmol)を、4−ニトロ安息香酸(0.306g、1.833mmol)、tert-ブチル (5S,6S,9R)-6-(2,3-ジフルオロフェニル)-9-ヒドロキシ-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-5-イルカルバメート(0.3578g、0.916mmol)のテトラヒドロフラン(5mL)溶液に0℃で加えた。該反応液を終夜撹拌し、その間に室温まで徐々に昇温させた。水(10mL)中の水酸化リチウム(0.110g、4.58mmol)を該反応混合物に加えた。該反応液を室温で5時間撹拌した。揮発成分を真空下で除去し、そして該粗残渣を酢酸エチルおよび水の間で分配した。該酢酸エチル層を2回水洗し、乾燥(硫酸ナトリウム)し、ろ過し、そして濃縮した。該粗物質を、0〜100%の酢酸エチル/ヘキサンで溶出するフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。該生成物を少量のトリフェニルホスフィンオキシドが混入したが、このものを更に精製することなく次の工程で実施した。MS(ESI)[M+H+] = 391.15。
【0113】
中間体28
【化62】

tert-ブチル (5S,6S,9R)-6-(2,3-ジフルオロフェニル)-9-(1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-5-イルカルバメート
DIAD(0.356mL、1.832mmol)を、フタルイミド(0.270g、1.832mmol)、トリフェニルホスフィン(0.481g、1.832mmol)およびtert−ブチル (5S,6S,9S)-6-(2,3-ジフルオロフェニル)-9-ヒドロキシ-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-5-イルカルバメート(0.358g、0.916mmol)の塩化メチレン(5mL)溶液に0℃で加えた。該反応液を室温まで徐々に昇温させ、そして室温で3日間撹拌した。揮発成分を真空下で除去し、そして該残渣を酢酸エチルおよび水の間で分配した。該酢酸エチル層を2回水洗し、乾燥(硫酸ナトリウム)し、ろ過し、そして濃縮した。0〜45%の酢酸エチル/ヘキサンを用いるフラッシュクロマトグラフィーにより、目的生成物(0.541g、約80%純度、2工程で90%)を得た。MS(ESI)[M+H+] = 520.16。
【0114】
中間体29
【化63】

tert-ブチル (5S,6S,9R)-9-アミノ-6-(2,3-ジフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-5-イルカルバメート
メタノール(5mL)中のヒドラジド(1mL、31.9mmol)およびtert-ブチル (5S,6S,9R)-6-(2,3-ジフルオロフェニル)-9-(1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-5-イルカルバメート(0.428g、0.823mmol)の混合物を、油浴(70℃)を用いて4時間加熱した。LCMSは、残存する出発物質がないことを示した。該溶媒を真空で除去し、そして該粗残渣を酢酸エチルおよび水の間で分配した。該酢酸エチル層を分離し、乾燥(硫酸ナトリウム)し、ろ過し、そして濃縮した。0〜10%のメタノール/塩化メチレンを用いるフラッシュクロマトグラフィーにより、目的生成物(164mg、51%)を得た。MS(ESI)[M+H+] = 390.19; 1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 8.46 (1 H, d, J=4.0 Hz), 7.63 (1 H, d, J=7.5 Hz), 7.18 (1 H, dd, J=7.7, 4.9 Hz), 6.92 - 7.08 (3 H, m), 5.24 (1 H, t, J=8.8 Hz), 4.50 (1 H, dd, J=9.3, 2.5 Hz), 3.18 (1 H, br. s.), 2.83 (2 H, br. s.), 2.04 - 2.24 (3 H, m), 1.57 (1 H, d, J=9.0 Hz), 1.31 (9 H, s), 0.68 - 0.92 (1 H, m)。
【0115】
中間体31
【化64】

tert-ブチル (5S,6S,9R)-6-(2,3-ジフルオロフェニル)-9-(4-(2-オキソ-3-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-2,3-ジヒドロ-1H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキサミド)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-5-イルカルバメート
オーブン乾燥した100mL丸底フラスコ内に、1-(ピペリジン-4-イル)-3-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-2(3H)-オン(52.3mg、0.150mmol)を塩化メチレン(5mL)中に溶解して、無色溶液を得た。トリエチルアミン(0.038mL、0.28mmol)を窒素下で加え、そして該混合物を−20℃まで冷却した。クロロギ酸トリクロロメチル(0.012mL、0.100mmol)を滴下した。該混合物を撹拌しながら10℃まで1時間徐々に昇温させ、その間該溶液はわずかに黄色になった。該反応液を真空下で乾固まで濃縮した。1mLのテトラヒドロフラン(2mLすすぎ液を足す)中に溶解した、tert-ブチル (5S,6S,9R)-9-アミノ-6-(2,3-ジフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-5-イルカルバメート(48.7mg、0.125mmol)およびトリエチルアミン(0.038mL、0.275mmol)をカニューレで室温で加えた。更なるトリエチルアミン(0.038mL、0.275mmol)を加えた。得られた淡い黄色懸濁液を窒素終夜撹拌した。該反応液を酢酸エチルで希釈し、そして3回水洗した。該酢酸エチル層を分離し、乾燥(硫酸ナトリウム)し、ろ過し、そして濃縮した。0〜10%のメタノール/塩化メチレンを用いるフラッシュクロマトグラフィーにより、目的生成物(12mg、13%)を得た。MS(ESI)[M+H+] = 764.38。
【0116】
実施例18
【化65】

tert-ブチル (5S,6S,9R)-9-アミノ-6-(2,3-ジフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-5-イルカルバメート
TFA(0.5mL、6.5mmol)中のtert-ブチル (5S,6S,9R)-6-(2,3-ジフルオロフェニル)-9-(4-(2-オキソ-3-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-2,3-ジヒドロ-1H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキサミド)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-5-イルカルバメート(12mg、0.016mmol)の塩化メチレン(1mL)溶液を室温で終夜撹拌した。該溶媒を真空下で除去し、そして該粗残渣を酢酸エチルおよび炭酸水素ナトリウム(飽和)の間で分配した。該酢酸エチル層を分離し、乾燥(硫酸ナトリウム)し、そして濃縮した。該目的生成物を、10%メタノール/塩化メチレンで溶出するプレパTLCによって得た。MS(ESI)[M+H+] = 534.26; 1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 8.43 - 8.48 (1 H, m), 8.07 - 8.12 (1 H, m), 8.03 - 8.06 (1 H, m), 7.60 - 7.65 (1 H, m), 7.30 - 7.38 (2 H, m), 7.07 - 7.18 (3 H, m), 6.96 - 7.00 (1 H, m), 5.21 - 5.28 (1 H, m), 4.56 - 4.66 (2 H, m), 4.33 - 4.43 (2 H, m), 2.91 - 3.10 (3 H, m), 2.24 - 2.52 (4 H, m), 1.94 - 2.04 (3 H, m), 1.43 - 1.74 (5 H, m)。
【0117】
中間体32
【化66】

tert-ブチル (5S,6S)-6-(2,3-ジフルオロフェニル)-9-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-5-イルカルバメート
ジメチルスルホキシド(0.145mL、2.049mmol)を、塩化オキサリル(0.768mL、1.537mmol)の塩化エチレン(10mL)溶液に−20℃で窒素下、加えた。次いで、該反応液を−65℃まで冷却し、そしてtert-ブチル (5S,6S,9R)-6-(2,3-ジフルオロフェニル)-9-ヒドロキシ-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-5-イルカルバメート(0.2g、0.512mmol)を該反応液に全て1回で加えた。該反応液を2時間撹拌した。トリエチルアミン(0.428mL、3.07mmol)を該反応混合物に加え、そして該反応液を室温まで昇温させた。該反応液を塩化メチレンで希釈し、そして3回水洗した。該塩化メチレン層を分離し、乾燥(硫酸ナトリウム)し、ろ過し、そして濃縮した。0〜45%〜65%の酢酸エチル/ヘキサンを用いるフラッシュクロマトグラフィーにより、目的生成物(199mg、73%)を得た。
【0118】
中間体33
【化67】

(E)-エチル 2-((5S,6S)-5-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-6-(2,3-ジフルオロフェニル)-7,8-ジヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-9(6H)-イリデン)アセテート
トルエン(5mL)中の(カルボエトキシメチレン)トリフェニルホスホラン(0.214g、0.614mmol)およびtert-ブチル (5S,6S)-6-(2,3-ジフルオロフェニル)-9-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-5-イルカルバメート(0.199g、0.512mmol)の混合物を18時間加熱還流した。該溶媒を真空で除去し、そして該粗残渣をシリカゲルカラム上に直接的にロードした。精製を、0〜65%の酢酸エチル/ヘキサンを用いる溶出によって行った。MS(ESI)[M+H+] = 459.22; 1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 8.53 (1 H, dd, J=4.8, 1.3 Hz), 7.70 (1 H, d, J=7.5 Hz), 7.32 (1 H, dd, J=7.8, 4.8 Hz), 7.15 - 7.24 (1 H, m), 7.05 - 7.13 (2 H, m), 6.39 (1 H, t, J=2.3 Hz), 5.21 - 5.31 (1 H, m), 4.89 - 4.99 (1 H, m), 4.19 (2 H, q, J=7.1 Hz), 3.32 - 3.43 (1 H, m), 3.17 - 3.32 (1 H, m), 3.12 (1 H, d, J=2.3 Hz), 1.87 (2 H, d, J=4.5 Hz), 1.14 - 1.38 (13 H, m)。
【0119】
中間体34、35
【化68】

エチル 2-((5S,6S,9S)-5-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-6-(2,3-ジフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-9-イル)アセテート(34)および、エチル 2-((5S,6S,9R)-5-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-6-(2,3-ジフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-9-イル)アセテート(35)
メタノール(4mL)中の(E)-エチル 2-((5S,6S)-5-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-6-(2,3-ジフルオロフェニル)-7,8-ジヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-9(6H)-イリデン)アセテート(0.1389g、0.302mmol)および10% Pd/C(17.4mg、0.16mmol)の混合物を水素下(1気圧)、室温で24時間撹拌した。該反応液をセライトのパッドを通してろ過し、そして該粗残渣を濃縮した。0〜50%〜85%の酢酸エチル/ヘキサンを用いるフラッシュクロマトグラフィーにより、目的生成物(35は34よりも極性が高かった)。34 (28mg, 20%): MS(ESI)[M+H+] = 461.22; 1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 8.41 - 8.47 (1 H, m), 7.60 - 7.68 (1 H, m), 7.16 - 7.26 (2 H, m), 7.04 - 7.14 (2 H, m), 5.39 - 5.52 (1 H, m), 4.65 - 4.74 (1 H, m), 4.16 (2 H, d, J=7.3 Hz), 3.77 - 3.89 (1 H, m), 3.05 - 3.25 (2 H, m), 2.68 - 2.80 (1 H, m), 2.09 - 2.25 (1 H, m), 1.88 - 2.06 (2 H, m), 1.38 - 1.50 (1 H, m), 1.31 (9 H, s), 1.27 (3 H, t, J=1.0 Hz). 35 (118mg, 85%): MS(ESI)[M+H+] = 461.22; 1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 8.46 (1 H, dd, J=4.8, 1.5 Hz), 7.67 (1 H, d, J=7.3 Hz), 7.17 (1 H, dd, J=7.8, 4.8 Hz), 6.96 - 7.08 (3 H, m), 5.12 (2 H, m, J=7.0 Hz), 4.08 - 4.18 (2 H, m), 3.78 (1 H, d, J=4.5 Hz), 3.33 (1 H, br. s), 3.20 (1 H, dd, J=16.2, 7.7 Hz), 2.75 (1 H, d, J=7.0 Hz), 1.98 - 2.07 (1 H, m), 1.81 (2 H, d, J=4.0 Hz), 1.57 - 1.69 (1 H, m), 1.33 (9 H, s), 1.21 - 1.25 (3 H, m)。
【0120】
中間体36
【化69】

2-((5S,6S,9S)-5-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-6-(2,3-ジフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-9-イル)酢酸
テトラヒドロフラン(3mL)および水(0.3mL)中の水酸化リチウム(11.2mg、0.468mmol)およびエチル 2-((5S,6S,9S)-5-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-6-(2,3-ジフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-9-イル)アセテート(27.8mg、0.060mmol)の混合物を室温で24時間撹拌した。該溶媒を高真空で除去し、そして該粗生成物(MS(ESI)[M+H+] = 433.17)を次の工程にそのまま使用した。
【0121】
実施例19
【化70】

tert-ブチル (5S,6S,9S)-6-(2,3-ジフルオロフェニル)-9-(2-オキソ-2-(4-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-1-イル)ピペリジン-1-イル)エチル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-5-イルカルバメート
DEPBT(26.9mg、0.090mmol)を、2-((5S,6S,9S)-5-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-6-(2,3-ジフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-9-イル)酢酸(25.9mg、0.060mmol)、1-(ピペリジン-4-イル)-1H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-2(3H)-オン(19.64mg、0.090mmol)のジメチルホルムアミド(4mL)溶液に室温で加えた。20分間撹拌後に、トリエチルアミン(0.013mL、0.090mmol)を該反応混合物に加えた。該反応液を室温で終夜撹拌した。該反応液を酢酸エチルで希釈し、そして3回水洗した。該有機層を分離し、乾燥(硫酸ナトリウム)し、ろ過し、そして濃縮した。0〜10%のメタノール/塩化メチレンを用いるフラッシュクロマトグラフィーにより、目的生成物(24.5mg、65%)を得た。: MS(ESI)[M+H+] = 633.36; 1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 10.32 - 10.48 (1 H, m), 8.45 (1 H, d, J=4.5 Hz), 8.08 (1 H, dd, J=5.3, 1.0 Hz), 7.63 - 7.74 (1 H, m), 7.28 - 7.34 (2 H, m), 7.18 - 7.25 (1 H, m), 7.11 (2 H, m.), 7.00 (1 H, d, J=2.5 Hz), 5.45 - 5.64 (1 H, m), 4.86 - 4.98 (1 H, m), 4.34 - 4.82 (2 H, m), 3.94 - 4.13 (1 H, m), 3.22 - 3.50 (2 H, m), 3.07 - 3.20 (1 H, m), 2.72 (2 H, m.), 2.21 - 2.36 (2 H, m), 1.95 (3 H, m.), 1.32 (9 H, d, J=2.5 Hz)。
【0122】
中間体37
【化71】

2-((5S,6S,9R)-5-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-6-(2,3-ジフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-9-イル)酢酸
テトラヒドロフラン(3mL)および水(0.3mL)中の水酸化リチウム(11.2mg、0.468mmol)およびエチル 2-((5S,6S,9R)-5-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-6-(2,3-ジフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-9-イル)アセテート(118.1mg、0.256mmmol)の混合物を室温で終夜撹拌した。LCMSは、完全な変換を示した。該反応液を高真空下で乾燥し、そして該粗生成物(MS(ESI)[M+H+] = 433.17)を次の工程にそのまま使用した。
【0123】
実施例20
【化72】

tert-ブチル (5S,6S,9R)-6-(2,3-ジフルオロフェニル)-9-(2-オキソ-2-(4-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-1-イル)ピペリジン-1-イル)エチル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-5-イルカルバメート
DEPBT(0.115g、0.384mmol)を、2-((5S,6S,9R)-5-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-6-(2,3-ジフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-9-イル)酢酸(0.111g、0.256mmol)、1-(ピペリジン-4-イル)-1H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-2(3H)-オン(0.084g、0.384mmol)のジメチルホルムアミド(4mL)溶液に室温で加えた。20分間撹拌後に、トリエチルアミン(0.054mL、0.384mmol)を該反応混合物に加えた。該反応液を室温で終夜撹拌した。該反応液を酢酸エチルで希釈し、そして3回水洗した。該酢酸エチル層を分離し、乾燥(硫酸ナトリウム)し、ろ過し、そして濃縮した。0〜10%のメタノール/塩化メチレンを用いるフラッシュクロマトグラフィーにより、目的生成物(145mg、90%)を得た。MS(ESI)[M+H+] = 633.36; 1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 11.23 (1 H, br. s), 8.51 (1 H, dd, J=4.8, 1.5 Hz), 8.03 - 8.14 (1 H, m), 7.65 - 7.78 (1 H, m), 7.14 - 7.41 (2 H, m), 6.95 - 7.08 (4 H, m), 5.51 - 5.72 (1 H, m), 5.09 - 5.22 (1 H, m), 4.81 - 4.96 (1 H, m), 4.55 - 4.73 (1 H, m), 4.29 - 4.47 (1 H, m), 3.90 - 4.06 (1 H, m), 3.34 - 3.64 (2 H, m), 3.13 - 3.34 (1 H, m), 2.56 - 2.80 (2 H, m), 2.08 - 2.42 (3 H, m), 1.53 - 2.04 (5 H, m), 1.31 (9 H, s)。
【0124】
実施例21
【化73】

1-(1-(2-((5S,6S,9R)-5-アミノ-6-(2,3-ジフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-9-イル)アセチル)ピペリジン-4-イル)-1H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-2(3H)-オン
tert-ブチル (5S,6S,9R)-6-(2,3-ジフルオロフェニル)-9-(2-オキソ-2-(4-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-1-イル)ピペリジン-1-イル)エチル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-5-イルカルバメート(0.1452g、0.229mmol)の塩化メチレン(5mL)溶液に、TFA(1mL、12.98mmol)を室温で加えた。該反応液を室温で3時間撹拌し、その後に該溶媒を真空下で除去した。該粗混合物を酢酸エチルおよび水の間で分配した。炭酸水素ナトリウム(飽和)を加え、そして該酢酸エチル層を分離した。該酢酸エチル層を乾燥(硫酸ナトリウム)し、ろ過し、そして濃縮した。0〜10%のメタノール/塩化メチレンを用いるフラッシュクロマトグラフィーにより、まだいくらか不純である生成物を得た。該生成物を更に、10%メタノール/塩化メチレンで溶出するプレパTLCによって精製して、得た(25.9mg、20%)。MS(ESI)[M+H+] = 533.29; 1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 8.47 (1 H, td, J=5.3, 3.5 Hz), 8.09 (1 H, d, J=5.3 Hz), 7.49 - 7.58 (1 H, m), 7.27 - 7.34 (1 H, m), 7.18 (1 H, ddd, J=15.3, 7.4, 4.9 Hz), 6.95 - 7.10 (4 H, m), 4.87 (1 H, d, J=13.1 Hz), 4.57 - 4.76 (1 H, m), 4.44 (1 H, d, J=13.1 Hz), 4.10 - 4.33 (2 H, m), 3.46 - 3.67 (1 H, m), 3.20 - 3.40 (2 H, m), 2.39 - 2.79 (3 H, m), 1.50 - 2.33 (9 H, m)。
【0125】
本願発明の開示は前述の例示的な実施例に限定されるものではなく、そして本質的な特性から逸脱することなく他の具体的な形態に具現化され得ると、当該分野における当業者にとって明白であろう。従って、実施例は全ての面で制限としてではなく、例示としてみなされるものであり、参照は前述の実施例よりもむしろ添付の特許請求の範囲に対してなされるべきであり、そして特許の請求の範囲の意味内容および均等物の範囲内で行われる全ての改変は従って本願発明に包含されるべきと意図することを望む。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

[式中、
は、水素、シアノ、ハロ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アゼチジニル、ピロリジニルまたはピペリジニルであり;
は、式:
【化2】

からなる群から選ばれる1個の置換基で置換されたピペリジニルであるか、あるいは、
は、式:
【化3】

であり;
は、水素、ハロ、シアノ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、またはハロアルコキシであり;
は、水素、ハロ、シアノ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、またはハロアルコキシであり;
は、水素、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロアルコキシ、アジド、アミノ、アルキルアミノ、またはジアルキルアミノであり;
は、水素、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロアルコキシ、アジド、アミノ、アルキルアミノ、またはジアルキルアミノであり;
は、水素、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロアルコキシ、アジド、アミノ、アルキルアミノ、またはジアルキルアミノであり;
は、水素、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロアルコキシ、アジド、アミノ、アルキルアミノ、またはジアルキルアミノであり;
は、水素、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロアルコキシ、アジド、アミノ、アルキルアミノ、またはジアルキルアミノであり;
10は、水素、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロアルコキシ、アジド、アミノ、アルキルアミノ、またはジアルキルアミノであり;
11は、水素、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロアルコキシ、アジド、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルコキシカルボニル、またはベンジルオキシカルボニルであるか、あるいは
10およびR11は一緒になって、OまたはN−OHであり;
但し、R、R、R、R、R、R10またはR11の少なくとも1つは水素ではなく;
Arは、シアノ、ハロ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシおよびアルキルSOからなる群から選ばれる0〜3個の置換基で置換されたフェニルであり;
Xは、O、CHまたはNHであり;そして、
Yは、結合、O、CHまたはNHである]
で示される化合物またはその医薬的に許容し得る塩。
【請求項2】
が、水素、シアノ、ハロ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アゼチジニル、ピロリジニル、またはピペリジニルであり;
が、式:
【化4】

からなる群から選ばれる1個の置換基で置換されたピペリジニルであるか、あるいは、
が、式:
【化5】

であり;
が、水素、ハロ、シアノ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシまたはハロアルコキシであり;
が、水素、ハロ、シアノ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、またはハロアルコキシであり;
が、水素、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロアルコキシ、アジド、アミノ、アルキルアミノ、またはジアルキルアミノであり;
が、水素、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロアルコキシ、アジド、アミノ、アルキルアミノ、またはジアルキルアミノであり;
が、水素、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロアルコキシ、アジド、アミノ、アルキルアミノ、またはジアルキルアミノであり;
が、水素、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロアルコキシ、アジド、アミノ、アルキルアミノ、またはジアルキルアミノであり;
が、水素、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロアルコキシ、アジド、アミノ、アルキルアミノ、またはジアルキルアミノであり;
10が、水素、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロアルコキシ、アジド、アミノ、アルキルアミノ、またはジアルキルアミノであり;
11が、水素、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロアルコキシ、アジド、アミノ、アルキルアミノ、またはジアルキルアミノであるか、あるいは、
10およびR11が一緒になって、オキソであり;
但し、R、R、R、R、R、R10またはR11の少なくとも1つが水素ではなく;
Arが、シアノ、ハロ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシおよびアルキルSOからなる群から選ばれる0〜3個の置換基で置換されたフェニルであり;
Xが、O、CHまたはNHであり;そして、
Yが、結合、O、CHまたはNHである、
請求項1記載の化合物またはその医薬的に許容し得る塩。
【請求項3】
式:
【化6】

で示される指定された立体化学を有する、請求項1記載の化合物。
【請求項4】
が、水素、ハロ、シアノ、アミノ、アルキルアミノ、またはジアルキルアミノであり;
が、式:
【化7】

からなる群から選ばれる1個の置換基で置換されたピペリジニルであり;
が、水素またはハロであり;
が、水素またはハロであり;
が、水素またはハロであり;
が、水素またはヒドロキシであり;
が、水素であり;
が、水素であり;
が、水素であり;
が、水素またはヒドロキシであり;
10が、水素、ヒドロキシ、アジド、アミノ、アルキルアミノ、またはジアルキルアミノであり;
11が、水素であるか、あるいは、
10およびR11が一緒になってオキソであり;
但し、R、R、R、R、R、R10またはR11の少なくとも1つが水素ではなく;
Arが、0〜2個のハロ置換基で置換されたフェニルであり;
Xが、O、CHまたはNHであり;そして、
Yが、Oである、
請求項3記載の化合物またはその医薬的に許容し得る塩。
【請求項5】
が水素であり;Rが式:
【化8】

からなる群から選ばれる1個の置換基で置換されたピペリジニルであり;Rが水素またはヒドロキシであり;Rが水素であり;Rが水素であり;Rが水素であり;Rが水素またはヒドロキシであり;R10がヒドロキシ、アジドまたはアミノであって、R11が水素であり、あるいはR10およびR11が一緒になってオキソであり;但し、R、R、R、R、R、R10またはR11の少なくとも1つが水素ではなく;Arがフェニルまたはジフルオロフェニルであり;XがO、CHまたはNHであり;そして、YがOである、
請求項4記載の化合物またはその医薬的に許容し得る塩。
【請求項6】
が、水素、シアノ、ハロ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アゼチジニル、ピロリジニル、またはピペリジニルである、請求項1記載の化合物。
【請求項7】
が、N−ピペリジニルであって、4−置換である、請求項1記載の化合物。
【請求項8】
該置換基が、式:
【化9】

である、請求項7記載の化合物。
【請求項9】
が水素であり;Rが水素であり;Rが水素であり;Rが水素であり;Rが水素であり;R10がヒドロキシ、アジドまたはアミノであり;そして、R11が水素であるか;あるいは、
が水素であり;Rが水素であり;Rが水素であり;Rが水素であり;Rが水素またはヒドロキシであり;そして、R10およびR11が一緒になってオキソであり;あるいは、
が水素であり;Rが水素であり;Rが水素であり;Rが水素であり;Rがヒドロキシであり;R10が水素またはヒドロキシであり;そして、R11が水素であるか;あるいは、
が水素であり;Rが水素であり;Rが水素であり;Rが水素であり;Rが水素であり;R10が水素であり;そして、R11が水素である、
請求項1記載の化合物。
【請求項10】
Arが2個のハロ置換基で置換されたフェニルである、請求項1記載の化合物。
【請求項11】
Arが2,3−ジフルオロフェニルである、請求項10記載の化合物。
【請求項12】
XがOである、請求項1記載の化合物。
【請求項13】
式:
(6R,9R)-6-(2,3-ジフルオロフェニル)-6-ヒドロキシ-5-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-9-イル 4-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート;
(9R)-6-(2,3-ジフルオロフェニル)-5-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-9-イル 4-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート;
(5S,6R,9R)-6-(2,3-ジフルオロフェニル)-5,6-ジヒドロキシ-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-9-イル 4-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート;
(5S,6S,9R)-6-(2,3-ジフルオロフェニル)-5-ヒドロキシ-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-9-イル 4-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート;
(5R,6S,9R)-6-(2,3-ジフルオロフェニル)-5-ヒドロキシ-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-9-イル 4-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート;
(5S,6R,9R)-6-(2,3-ジフルオロフェニル)-5-ヒドロキシ-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-9-イル 4-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート;
(5S,6S,9R)-5-アジド-6-(2,3-ジフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-9-イル 4-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート;
(5S,6S,9R)-5-アミノ-6-(2,3-ジフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-9-イル 4-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート;
(6S,9R)-6-(2,3-ジフルオロフェニル)-6-ヒドロキシ-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-9-イル 4-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート;
(5S,6S,9R)-5-アミノ-6-(3,5-ジフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-9-イル 4-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート;
(5S,6S,9R)-6-(3,5-ジフルオロフェニル)-5-ヒドロキシ-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-9-イル 4-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート;
(6S,8R,9S)-6-(2,3-ジフルオロフェニル)-8-ヒドロキシ-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-9-イル 4-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート;
(5S,6S,9R)-6-(2,3-ジフルオロフェニル)-5-(メチルアミノ)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-9-イル 4-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート;
(5S,6S,9R)-6-(2,3-ジフルオロフェニル)-5-(ジメチルアミノ)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-9-イル 4-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート;
(6S,9R,Z)-6-(2,3-ジフルオロフェニル)-5-(ヒドロキシイミノ)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-9-イル 4-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート;
(6S,9R,E)-6-(2,3-ジフルオロフェニル)-5-(ヒドロキシイミノ)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-9-イル 4-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート;
(5S,6S,9R)-5-アミノ-6-(2,3-ジフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-9-イル 2'-オキソ-1,1',2',3-テトラヒドロスピロ[インデン-2,3'-ピロロ[2,3-b]ピリジン]-5-イルカルバメート;
tert-ブチル (5S,6S,9R)-9-アミノ-6-(2,3-ジフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-5-イルカルバメート;
tert-ブチル (5S,6S,9S)-6-(2,3-ジフルオロフェニル)-9-(2-オキソ-2-(4-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-1-イル)ピペリジン-1-イル)エチル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-5-イルカルバメート;
tert-ブチル (5S,6S,9R)-6-(2,3-ジフルオロフェニル)-9-(2-オキソ-2-(4-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-1-イル)ピペリジン-1-イル)エチル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-5-イルカルバメート;および、
1-(1-(2-((5S,6S,9R)-5-アミノ-6-(2,3-ジフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-9-イル)アセチル)ピペリジン-4-イル)-1H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-2(3H)-オン、
からなる群から選ばれる、請求項1記載の化合物またはその医薬的に許容し得る塩。
【請求項14】
式:
【化10】

で示される、(5S,6S,9R)-5-アミノ-6-(2,3-ジフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-9-イル 4-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレートである、請求項1記載の化合物またはその医薬的に許容し得る塩。
【請求項15】
請求項1記載の化合物またはその医薬的に許容し得る塩、および医薬的に許容し得る担体を含有する、組成物。
【請求項16】
請求項1記載の化合物が、(5S,6S,9R)-5-アミノ-6-(2,3-ジフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-9-イル 4-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレートである、請求項15記載の化合物。
【請求項17】
治療有効量の請求項1記載の化合物またはその医薬的に許容し得る塩の患者への投与を含む、異常なレベルのCGRPに関係する疾患を処置する方法。
【請求項18】
該疾患が片頭痛である、請求項17記載の方法。
【請求項19】
請求項1記載の化合物が、(5S,6S,9R)-5-アミノ-6-(2,3-ジフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-9-イル 4-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレートである、請求項17記載の方法。
【請求項20】
請求項1記載の化合物が、(5S,6S,9R)-5-アミノ-6-(2,3-ジフルオロフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]ピリジン-9-イル 4-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレートである、請求項18記載の方法。

【公表番号】特表2013−508281(P2013−508281A)
【公表日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−534309(P2012−534309)
【出願日】平成22年10月13日(2010.10.13)
【国際出願番号】PCT/US2010/052433
【国際公開番号】WO2011/046997
【国際公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【出願人】(391015708)ブリストル−マイヤーズ スクイブ カンパニー (494)
【氏名又は名称原語表記】BRISTOL−MYERS SQUIBB COMPANY
【Fターム(参考)】